築年数と不動産価値の関係|中古マンション・土地の売却価格をシミュレーション

マンション・土地の売却価格

築年数が経過すると不動産の価値が低下することは、何となくイメージできると思います。しかし実際にどのような曲線を描いて価値が低下していくのかは、不動産の素人にとってわかりづらいのではないでしょうか。

築年数によって、不動産価値はどのように推移していくのでしょうか。こちらでは、その売却価格をシミュレーションしてみましょう。

築年数と不動産の資産価値の低下率

日本は新築物件が珍重される傾向が非常に大きい国です。いったん誰かが入居して中古物件になると、たとえそれが一日であったとしても、1割程度もがくんと価値が落ちるのです。

もちろん物件の立地や設備によっても異なりますが、その後は一般的に1年につき1~2%程度の割合で売却額が低下していきます。下落率の大きな地域では築5年で2割、築10年で3割程度資産価値が低下していると考えましょう。

次の表は東日本不動産流通機構による「築年数からみた首都圏の不動産流通市場(2015年)」をもとにした、中古マンションの取引における築年数と平均成約単価の関係です。

中古マンションの取引における築年数と平均成約単価の関係
築年数 中古マンションの取引
平均成約平方メートル単価(万円) 下落率(仮に0~5年の単価を100%として算出)
0~5年 71.96 100%
6~10年 59.74 83%
11~15年 52.27 72.6%
16~20年 41.72 58%
21~25年 29.22 40.6%
26~30年 30.58 42.5%
31年以上 27.8 38.6%

これをみると、築20年あたりまでは急速に面積当たりの単価が下がっていきますが、それ以降はほぼ横ばいであることがわかります。築年数の経過と単価が逆転している部分があることからもわかるように、一定の築年数を経過した後は単価に築年数があまり関係しません。

ここで例として取り上げたのはマンションですが、一戸建て住宅の下落率でも同じような曲線をたどります。やはり新築当初に急激に資産価値が下がり、その後横ばいになるわけです。

築年数 中古マンションの取引 中古戸建て住宅の取引
平均成約価格(万円) 平均面積(平方メートル) 平均成約価格(万円) 平均土地面積(平方メートル) 平均建物面積(平方メートル)
0~5年 4739 65.85 3710 121.68 98.2
6~10年 4160 69.64 3657 135 102.86
11~15年 3686 70.5 3547 131.23 105.99
16~20年 2768 66.34 3167 146.03 110.98
21~25年 1729 59.2 2681 165.31 116.08
26~30年 1758 57.48 2638 163.54 115.93
31年以上 1572 56.53 2268 168.35 97.81

一戸建ての法が土地の価値が高い状態で維持できる

ただし土地を持分所有するマンションに対して、一戸建て住宅は土地に対する自由度が高いという特徴があります。建物の価値がゼロになったとしても土地の価値が高い状態で維持できるので、一定の価値を残して下げ止まりやすいのです。

上記の表を見ると、マンションでは築30年で約3分の1まで成約価格が下落していますが、戸建て住宅では3分の2足らずにしか下がっていません。

面積の違いはあるものの、このことからも戸建て住宅は資産価値の下落に強いということがうかがえます。

築10年のマンションの不動産売却価格シミュレーション

不動産を売却した場合、ここでは、東急東横線新丸子駅から徒歩15分の距離にある、築10年のマンションを売却したと想定してシミュレーションを行ってみましょう。この条件で住宅ローンの残債が4000万円であれば、手もとにはいくらのお金が入ってくるのでしょうか。

最寄駅 東急東横線綱島駅
駅からの距離 徒歩15分
新築購入価格 5500万円
築年数 10年
構造 鉄筋コンクリート造(RC造)
専有面積 70平方メートル
所在階 5階

新築時の購入価格は5500万円の場合

これらの条件で机上査定額(築年数や面積などの条件面のみで割り出した査定額)を算出すると、4000万円から5000万円程度の価格がつけられます。

今回はその中間をとり、4500万円で売り出すことにしましょう。不動産の売却では、次のような諸経費が発生します。

仲介手数料(税込) (売買価格の3.24%)+6.48万円=152万2800円
抵当権抹消登記費用 登録免許税 不動産1件につき1000円
土地・建物で2000円)
司法書士費用 1万円(依頼先により異なる)
印紙税(不動産売買契約書) 1万円(平成30年3月31日を過ぎると2万円)
住宅ローン 残債4000万円
繰上げ返済手数料 5400円(金融機関により異なる)
不動産譲渡所得税 0円
合計 4155万200円

購入時にかかった代金や諸費用を合わせて取得費といいます。難しい計算式となるのでここでは省略しますが、建物には減価償却が適用されます。

定率法で計算すると、10年間使用したこのマンションの譲渡時点における残存価額は約4220万円です。取得時の諸費用は便宜上、価格の5%として計算しました。譲渡益は次のような計算で算出できます。

譲渡益=売却価格-(取得費+仲介手数料+諸経費)
=4500-{(4220+275)+152.28+2.74}
=-150万円

出てきた金額はマイナスです。つまり売却によって、帳簿上の損失が生じているわけです。そのため、ここでは不動産譲渡所得税はかかりません。

売却価格4500万円-支払金額約4155万円=約345万円

つまりこのケースでは、取得時に支払った費用の控除が認められるため、手もとに約345万円のお金を残すことができるわけです。しかも帳簿上譲渡損失が出ているので、一定の条件を満たせば確定申告によって事業所得や給与所得などほかの所得と損益通算ができます。

給与から天引きされている所得税などが返ってくる可能性があるということです。譲渡翌年の期間内に、忘れずに確定申告書を提出しましょう。

住み替えの場合はこれとは別に、引越し費用が必要となります。

まとめ|築年数と不動産の売却価格は密接に結びついている

こちらでは築年数と不動産の関係をご紹介し、売却価格と売却にかかる諸経費をシミュレーションによって算出してみました。仲介手数料の金額の大きさに、驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

こちらでご紹介した例と同じように、住宅ローンの残債よりも高い金額で不動産が売れたからといって、その差額が丸ごと手もとに残るわけではありません。ましてや住宅ローンよりも安い金額で手放すことになってしまうと、その差額を手もちの現金で補てんすることとなり、負担はより大きなものになります。

譲渡損失が出た場合には減税制度が用意されているので、確定申告手続きを忘れずに行って少しでも損失を取り戻しましょう。税法は複雑で頻繁に改正されるので、詳しい添付書類については不動産会社の担当者に相談するなどして、都度確認してください。

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