住宅ローンが支払えず、不動産を売る場合|売却と残債の支払方法

支払えない

十分な資金計画を立てて住宅ローンを組んでいても、仕事や体調の大きな変化などやむを得ぬ事情によって、住宅ローンの支払いに問題が生じることがあります。

たとえ支払いに多少支障が出ていても、「思い入れのある住宅を手放したくない」と思われる人も多いかもしれません。でも、そんな時は無理をせず物件を手放すという方法も検討しましょう。

こういったケースで不動産を売る場合、住宅ローンの支払い状況によって取れる手段が変わってきます。実際に支払いが滞ってしまったり、その期間が長くなってしまったりするにつれて選択肢が少なくなるので、早めに動くことが大切。

今回は住宅ローンが支払えない不動産を売る場合の、売却方法と残債の支払方法についておさらいしていきます。

住宅ローンの滞納が続くと、不動産を売却することに

住宅ローンの支払いの状況に問題が生じた場合、債権者(銀行などの住宅ローンを貸してくれている金融機関)が抵当権を行使し、裁判所を通して物件を売却する「競売」に向けて手続きが進んでいきます。

競売のスケジュール

  1. 住宅ローンの滞納開始 → 1か月目から督促状や催告書が送られてくる
  2. 滞納3~6か月 → 期限の利益喪失
  3. 保証会社の代位弁済
  4. 裁判所から「競売開始決定通知」送付
  5. 裁判所の執行官による自宅調査
  6. 裁判所から「期間入札」の通知送付
  7. 競売公告
  8. 期間入札開始
  9. 競売成立(開札、売却許可・所有権移転、引渡し、強制退去)

住宅ローンの滞納が続くと、期限の利益(住宅ローンを分割返済する権利)を喪失し、全額一括返済を求められます。もちろん返済に滞っている人が一括返済できるわけがありません。保証会社が代わりに支払い、今度は保証会社から請求が来ることになります。同時に裁判所に競売の申し立てがなされ、競売に向けたスケジュールが動き出します。

一般市場での取引に比べると、競売にかかった物件は数割ほど安くなるといわれていることをご存じでしょうか。「競売で家をとられたんだから、借金はそこでなくなる」と勘違いしている人もいますが、それは違います。競売が終了したからといって、債務が免除されるわけではありません。

残債から売却金額を引いた残りの債務は、引き続き支払い続ける義務があります。つまりその後の生活再建を考えると、住宅は1円でも高く売れたほうがよいわけです。競売にかけられないに越したことはありません。

競売を逃れて一般の市場で住宅を売却するためには、競売開始までに任意売却の手続きをすべて完了させ、競売取下げの手続きを行う必要があります。

住宅ローンの支払いに滞った場合の選択肢

住宅ローンの支払いに滞って物件を売却する場合、大きく分けて次の4つの方法があります。ひと口に「売る」といっても、この方法のうちいずれを選択するかによって、その後の人生が大きく変わってくることもあります。

不動産を売却する4つの方法

  1. 仲介売却
  2. 業者買取
  3. 任意売却
  4. 競売

仲介売却

「仲介売却」とは一般的な不動産取引の方法です。購入希望者探しを依頼し、売買契約締結に至った場合お礼として手数料を支払う「媒介契約」を不動産業者との間に締結します。

業者買取

「業者買取」は、業者との間に直接不動産売買契約を締結する方法です。業者はいったん所有権を保有し、リノベーション工事をするなどして付加価値を付け、いずれ別の個人客に対して売却することとなります。

この2つは住宅ローンの支払いに問題がない人も行う、一般的な売却方法です。たとえ「あと数か月で住宅ローンの支払いが滞りそう」「お金がもうあまり手もとにない」と思っていても、それを購入希望者に知られなければ特に不利になることはありません。一般的な不動産市場の相場で取引できます。

ただしこの2つの方法だと、この時点で住宅ローンが残っていて残債を売却代金で完済できない場合は、差額を現金で用意しなければ売却自体が成立しません。しかもすでに返済に滞っていた場合は、通常の売却活動を不動産業者に依頼する媒介契約が結べません。そこで、実際に滞納が生じてしまった物件では任意売却を検討することとなります。

任意売却

「任意売却」とは手もとから現金を出すことなく、そのような債務超過状態に陥っている不動産を売却する方法です。住宅ローンを貸してくれている金融機関との合意に基づき、住宅の売却手続きを進めます。任意売却なら売却代金で残債が完済できなくても、売却にかかる諸費用や引っ越し代金などを手もとに残すことができます。

売却代金のうち、諸費用等をのぞいた残りを残債の整理に充てるのです。任意売却は一般の市場で取引されるので、相場に近い価格での販売も可能です。諸費用や引っ越しのための現金を別に用意しなくてよいため、その後の生活再建が容易になるというメリットもあります。

任意売却の成立には、1~3か月程度かかると考えておきましょう。期間入札が始まる前に手続きを完了しなければ、競売を免れません。住宅ローンの支払いをいつまでも滞納していると、任意売却という方法も取れなくなります。金融機関に抵当権を行使されて「競売」にかけられないために、早めに動くことが大切です。

住宅ローンの支払いが厳しい人が不動産を売却する方法

「今すぐには問題ないけれど、もう数か月で住宅ローンの支払いが滞りそう」という人は、任意売却ではなく「仲介売却」や「業者買取」という、一般的な売却方法をとれる可能性があります。

それらの方法をとる場合、売り急いでいることを購入希望者に知られると、まず間違いなく足もとを見られて安い値段で買いたたかれます。手もとの資金状況にもよりますが、物件を手放す理由は資金面でのリミットが近づくまでは伏せておいたほうがよいでしょう。

任意売却には特有の手続きがいくつも必要なので、経験のある業者にまかせたほうが無難です。

また、任意売却をしても競売と同じく、残債がなくなるわけではありません。これまでとは別の場所で新生活を送りながら、少しずつ無理のない金額で残った債務の返済をしていくことになります。任意売却の手続きは、金融機関の同意が得られなければ進められません。銀行としては任意売却を認めていても、債務者の態度が悪いと許可が下りないといったケースも。その後も含めて、誠意ある対応が求められます。

まとめ|住宅ローンが支払えず不動産を売るなら少しでも高く売却を

住宅ローンを借りている以上、支払いが滞る可能性は誰にとってもゼロではありません。競売になると安く売れて損をする可能性が高いので、少しでも有利に手放せるよう早めの対処を心がけてください。

任意売却ですめば、その後の生活再建に目途が立ちやすくなります。すっきりとした状態で新生活をはじめられるよう、まずは動き出しましょう。

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