マンション売却の相場と全国の「平均売却価格」一覧表をチェック

マンションの外観

マンションを売却する際、多くの方が一番気になるのがいくらでマンションが売却出来るかということでしょう。マンションに限らず不動産の価格は常に変動しており、決まった価格はありません。マンションの売却価格は様々な要因で決まりますが、その大きな要因の一つが立地です。そのためマンションの価格はエリアによって、大きく違います。

今回の記事では全国のマンション売却相場について詳しく解説をしていきます。それだけでなく相場の調べ方や注意点、高く売るための方法なども合わせて紹介をしていきます。マンションを売却する予定のある方は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。

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【地域別】マンション売却の相場はいくら?

マンションに限らず不動産は物件によって立地や広さが違うので、二つとして同じものはありません。そのため物件の価格も様々で、仮に同じマンションであっても階数や方角、間取りや広さで価格は大きく変わります。このように二つとして同じものがないのが不動産価格の特徴です。

マンションの場合は特に立地が重要で、マンションの建っているエリアや駅からの距離によって価格が違います。当然日本の各地によってもマンション価格は違うため、マンション価格の相場を調べる際にはエリア毎の相場を調べることが重要です。ここでは地域別のマンション価格の相場について見ていきましょう。

北海道地方の売却相場

まずは北海道地方のマンション相場から見ていきましょう。今回の調査は国土交通省の不動産取引情報価格に掲載されている、直近のマンションの成約事例を元にデータを作成をしています。実際に北海道で行われたマンション取引の成約価格を、築年数や専有面積別に集計したのが下記の表です。北海道地方における直近のマンション売買における平均相場は下記の通りとなっています

築年数・専有面積別の相場

築年数や専有面積などを区別せず、北海道で行われた全てのマンション取引の平均価格は2,040万円となっています。北海道と聞くと広大な土地に広い牧場のあるイメージが強いですが、この平均価格は意外にも中部地方や九州地方よりも高くなっています。北海道におけるマンション取引の事例は札幌が多く、札幌のマンション価格相場が北海道全体のマンション価格を牽引していると言えます。

また築年数や専有面積別に見た相場を見てみると、直近では取引事例のないケースも多くマンション取引がそこまで多くないことが分かります。(上記の表で「-」と表示しているのが取引事例がなかったケースです。)また北海道のマンションの特徴としては、専有面積が80㎡を超えるような広い物件が多く、取引も活発です。実際に築30年を超えたマンションでも、この広さの物件の平均成約価格は1,800万円と需要の高さが分かります。

このように北海道では札幌市を中心に一定のマンション需要があることが分かりますが、直近取引では事例のないケースもあることから地域全体としてはマンション取引件数はそこまで多くはなく戸建ての需要が高いエリアと言えるでしょう。

東北地方の売却相場

続いて東北地方におけるマンション価格の相場を紹介します。東北最大の都市である仙台市がある宮城県や福島県など、東北6県の直近のマンション取引の事例を集計したものが下記になります。北海道と同様に、このエリアに対するイメージで言うとマンションよりも戸建ての方が強いでしょう。

築年数・専有面積別の相場

東北地方全体におけるマンションの平均成約価格は、1,851万円と北海道に比べると200万円程度も低い金額となっています。北海道の中心地である札幌市は人口が約200万人なのに対し、東北地方の中心である仙台市は半分の100万人です。マンション取引の中核となっている都市の規模の差が、このような価格差に表れていると言えます。

東北地方の築年数・専有面積別の平均成約価格を見てみると、60㎡を超えるファミリータイプの物件の方が築年数を経過しても価格の下落幅が小さいです。北海道同様に東北地方では、広い間取りのマンションの需要が強いことが上記の表から分かります。

一方で40㎡を下回る1Kや1LDKのようなマンションの流通量が少なく、築年数の経過に伴う価格の下落幅も大きいです。この広さのマンションは投資家が投資目的で購入するケースも多い為、全体としてマンション需要の高くない東北や北海道地域では需要が少ないと言えます。一方で次に紹介をする関東地方や都内では、値上がりを期待した投資家のマンション購入ニーズが強いため、手ごろな価格で買えるこの広さの物件の需要は強くなっています。

関東地方の売却相場

次は関東地方におけるマンションの相場を見ていきましょう。東京都を除いた関東地方の各県の直近のマンション成約事例をまとめたものが、下記の表です。これまで見てきた北海道や東北と違って、関東地方はマンションの数も事例も多くあるのが特徴です。

築年数・専有面積別の相場

上記の表では一番マンション価格の高い東京都は除いた集計ですが、それでも平均価格は2,313万円と大阪府を含む近畿地方よりも高くなっています。イメージ通り関東地方ではマンションの需要が高く、平均成約価格も取引事例も多くなっていることが分かります。

関東地方の築年数・専有面積別の価格を見てみると、どのパターンでもそれなりに価格が高くマンション需要が高いことが改めて分かります。どの広さの物件でも取引事例は多いですが、その事例は神奈川県・千葉県・埼玉県に集中しているのも関東地方の特徴です。同じ関東地方でも茨城県や群馬県などは、マンションよりも戸建ての方が事例が多くなっており戸建て需要の方が高いと言えます。

また関東地方のマンション相場の特徴として、40㎡以下の小さな物件の価格が築年数による下落が小さい点です。この広さの物件は先ほども説明したように、投資目的として買われることの多い物件です。つまり関東地方のマンションは、自分で住むためのマイホーム需要だけでなく投資目的の需要も集めていると言えます。結果として関東地方におけるマンション価格は、表の通りとても力強い相場となっています。

都内の売却相場

続いては、関東地方の中でも東京都に限定してまとめた結果を紹介します。マンションの相場を見る際には東京都の推移は欠かすことが出来ませんが、他の地域とは大きく違う価格推移をしていることもあり、東京都だけは切り分けて見る方が相場は把握しやすいです。

東京都は言うまでもなくマンション需要の高いエリアで、日本のマンション相場を牽引しています。特に近年では東京都のマンション価格の上昇は他のエリアと比べても突出しているので、ここでは関東地方とは分けて東京都の相場を見ていきたいと思います。

築年数・専有面積別の相場

東京都全体のマンション平均成約価格は3,680万円となっており、他の地域と比較すると約2倍程度の水準となっています。更に築年数・専有面積別の相場では、80㎡超の5年以内の物件の成約価格は1億を超えています。このように東京都内におけるマンションの価格は、想像を超えるほどの高い水準となっていると言えます。東京と同じく大都市と言われる大阪や名古屋の相場を比べても、東京のマンション価格は突出をしています。

このように突出したマンション相場の中でも注目したいのが、80㎡を超えるマンションの価格推移です。東京都でこの広さの物件は、いわゆる高級マンションと言われる物件が多いです。タワーマンションの最上階や、有名ブランドのマンションが都内の一等地に建てているような物件が中心です。そのため築年数が経過をしても価格が下がっておらず、築30年を経過しても9,000万円を超える価格で取引をされています。

これだけ東京のマンション価格が高騰しているのは、投資目的の需要を集めていることが大きな要因です。東京都内のマンションは国内だけでなく海外投資家からも注目を集めており、その結果価格の上昇が続いています。このような背景もあり東京のマンション価格は過熱をしており、バブルとも言われ始めているのが東京のマンション相場の現状です。

中部地方の売却相場

東京都の次は、中部地方のマンション相場を紹介します。中部地方はとても範囲が広く、名古屋を中心とした愛知エリアから日本海側の石川県などのエリアまでを含んでいます。都市部から郊外などの様々な種類の地域を含んだのが中部地域の特徴で、下記は中部地方に属する各県の直近のマンション成約価格をまとめたものです。

築年数・専有面積別の相場

中部地方全体のマンション平均成約価格は、1,884万円となっています。この価格は東北地方とほぼ同じ水準で、全国的に見ても高い方ではありません。これは中部地方の地理的特徴を反映しているとも言える結果です。中部地方に属する県は9県と多いですが、その中でもマンション需要の強い大都市は名古屋市のある愛知県のみです。名古屋以外の地域では戸建て需要の強いエリアが多いので、どうしてもマンション平均価格は低くなってしまいます。

つまり名古屋を除けばマンション需要がそう高いエリアではないため、投資目的の需要が少ないのが中部地方のマンション相場の特徴と言えます。実際に投資目的の需要を反映しやすい40㎡以下の物件価格は、築年数の下落にともなって大きく減少をしています。

このように中部エリアは広いこともあり、マンションの相場を調べる際には注意が必要です。名古屋を中心とした都市型のエリアと、それ以外の郊外・農村エリアではマンション需要も大きく変わります。t中部地方のマンション相場を調べる際には、このようなエリア特性を押さえておくようにしましょう。

近畿地方の売却相場

次は、近畿地方におけるマンション相場を紹介していきます。近畿地方には東京に次ぐ大都市である大阪だけでなく、京都や神戸などの大きな都市が複数あります。そのため都市型の価格推移を形成しているイメージが強いエリアでもあります。近畿地方に属している各県の直近のマンション成約価格をまとめたものが、下記の表になります。

築年数・専有面積別の相場

近畿地方全体におけるマンションの平均成約価格は、2,143万円となっています。この価格は都心を除けば関東地方に次ぐ高い水準の価格であり、近畿地方におけるマンションの需要の高さが分かります。近畿地方には日本を代表する観光地である京都や神戸、奈良などがあるため近年は国内だけだけでなくインバウンドの需要がとても高まっている特徴があります。

このような特殊事情がマンション価格にも反映しており、大阪を中心に近畿地方の不動産価格は上昇をしています。築年数・専有面積別の平均成約価格を見てみると、築5年以内の80㎡超の平均成約価格は8,000万円台と都心に劣らない価格水準となっていることが、人気の高さを表しています。

また40㎡以下の物件価格も、他の地域に比べると築年数の経過ほど価格が下落していません。このことからも近畿地方のマンションは都心と同様に、居住用のマイホームとしての需要だけでなく投資目的の需要を集めていることが分かります。このように近畿地方のマンション価格は、都心ほどではないですが近年需要を集めていると言える価格水準となっています。

中四国地方の売却相場

次は中四国地方におけるマンションの売却相場を見ていきましょう。中四国地方は最大の都市である広島を除けば、比較的戸建ての需要が強い郊外型の都市のイメージが強いです。中四国地方に属する各県におけるマンションの平均成約を集計したものが、下記の表になります。

築年数・専有面積別の相場

中四国地方におけるマンションの平均成約価格は1,936万円となっており、全国的に見ればそこまで高い水準ではありません。中四国地方の最大都市である広島は人口約280万人を誇る大都市ですが、他の県には広島ほどの大きな都市はありません。そのためどうしても戸建ての需要が強くなってしまうので、全体のマンション価格が下がってしまっているのが中四国地方のマンション相場です。

そのため築年数・専有面積別の相場を見ても、80㎡を超える高級マンションで築浅の物件であっても3,000万円台と比較的価格は低くなっています。中四国地方では東京や大阪などの大都市と違い、マンションの購入者は自己居住用の買主が中心となります。投資用としての購入がどうしても少なくなってしまうことが、上記のように価格に表れていると言えます。

このようなマンション相場が中四国地方の現状ですが、一方で広島駅を中心としたエリアでは再開発が行われています。大型のタワーマンションなどが分譲されており、その価格は決して安くはありません。このように都市型の相場を形成している広島と、郊外型の戸建て中心の相場が混在しているのが中四国地方の特徴と言えます。

九州地方の売却相場

最期は九州地方におけるマンション相場を見ていきましょう。一口に九州と言っても県によってマンション相場は大きく違い、中心となる福岡とそれ以外の地域の価格差は大きいです。九州はその立地から、アジア各国の玄関口としての役割は強く、インバウンド需要がとても高いエリアです。その九州地方におけるマンションの直近の成約価格の平均をまとめたものが、下記の表になります。

築年数・専有面積別の相場

九州地方全体での、マンションの平均成約価格は1,598万円と全国的に見てもかなり低い水準となっています。九州地方には大都市である福岡以外にも、郊外型の都市が多くあります。そのため九州全体で見れば戸建て需要の方が圧倒的に高く、マンション価格が低くなっています。

築年数・専有面積別の成約価格を見てみると、築浅の80㎡を超えるマンションでも4,000万円となっており他の地域に比べるとリーズナブルな価格となっています。他の広さや築年数別の平均価格も同様に、全国的には低い価格となっていますが、福岡に限ればそうではありません。福岡は先ほど説明したようにアジアの玄関口としての側面も強く、都市としての需要は年々高まっています。

そのためマンション価格も上昇が続いているエリアであり、福岡だけを見れば大阪や名古屋と同水準の需要があります。このように九州地方のマンション相場はエリアによる価格差が大きいのが特徴と言えますから、相場調査の際には慎重に調べることが重要となります。

【全国】マンション売却相場の推移

これまでは日本における地域毎のマンション相場を説明をしてきましたが、マンションの価格は常に変動をしています。そのため同じマンションであっても、売却する時期によっては価格も大きく違うことになります。特に中古マンションは投資家による投資目的で購入されることも多いことから、相場による価格変動が他の不動産に比べても大きい特徴があります。

つまりマンション価格に影響を及ぼす要因は不動産の市況だけでなく、株価や金利などの経済的な要因も大きいと言えます。マンションの価格は立地などの物理的要因に加えて、このように経済的な要因が価格に大きく影響します。2021年現在足元ではマンション価格は高騰が続いていると言われていますが、コロナによる不景気が懸念されている中、マンション価格はどのように推移しているでしょうか。

国土交通省が発表している不動産取引価格情報検索のデータから、マンションの平均的な広さである60㎡の物件の成約価格を年別に調査した結果が下記になります。調査は東京・大阪・愛知の三大都市で行い、2005年の価格を100として年別の推移をまとめています。

マンション価格推移
参照:国土交通省「不動産取引価格情報検索」より当方作成

東京・大阪・名古屋ともに概ね同じような推移をしていることが、上記の表から分かります。特に2014年以降にかけて、どの都市でもマンション価格が大幅に上昇をしています。これは2013年から行われた大規模な金融緩和が影響をしていると推測されます。大規模金融緩和によってお金が市中にバラまかれ、結果として不動産価格も上昇をしていると言われています。

大規模金融緩和以降は上昇を続けていたマンション相場ですが、やはりコロナによる影響を受けています。コロナウィルスの感染拡大が急速に広まった2020年以降の相場は、上記の表でゃ3ヶ月毎に計上しています。上記の表によれば感染拡大初期の2020年4~6月は影響がありませんが、7月以降はどの都市でも大きく価格が落ち込んでいることが分かります。

これまではインバウンドなどを中心に上昇を続けてきたマンション価格が、コロナをきっかけに下落へと転じているとも言えます。このようにマンション価格は様々な要因で上下をするのが特徴ですから、今後のマンション価格の推移を予想するには、経済情勢なども見極めることが重要です。

【築年数】マンション売却相場の推移

マンションの売却相場は、築年数によっても大きく変わります。都心にある人気のブランドマンションなどを除けば、一般的には築年数が経過をするほど売却価格は安くなります。マンションに限らず不動産はいつまでも使える訳ではないですし、年数が経過をすれば修繕などの費用も必要になってきます。

そのためどうしても築年数の経過したマンションの方が、築年数の浅いマンションに比べると価格は低くなります。築年数の経過に伴ってどれくらい価格が下がるかは物件によっても違いますが、築年数と価格の下落をまとめると下記のようになるケースが一般的です。
築年数によるマンション価格の推移 srcset=
参照:国土交通省「不動産取引価格情報検索」より当方作成

新築時の価格を100とした際に、築年数に応じた価格をまとめたものが上記です。新築時から一貫して価格が下落しており、築20年を経過したころには新築時の約4割もの価格になっていることが分かります。このようにマンションの売却相場においては築年数も重要な要素であると言えます。

マンション売却の相場を自分で調べる方法

家と書類
マンションの相場は様々な要因で変動をしていますが、マンションを売却する際には出来るだけ正確な相場を調べておくことが重要です。しかしマンション相場は常に変動しており、エリアや物件によって大きく違います。このような難しいマンション相場を調べるには、どのような方法があるでしょうか。ここでは自分でマンション相場を調べる方法について、紹介をしていきます。

レインズマーケットインフォメーション

レインズマーケットインフォメーション

一つ目の方法はレインズマーケットインフォメーションを使って調べる方法です。レインズ(REINS)とは「Real Estate Information Network System」の頭文字を取った略称で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているネットワークシステムです。

レインズは不動産の売りや買いなどの依頼を受けた不動産会社がこのシステムに登録をすることで、全国の不動産会社が情報を共有することが出来ます。そのため不動産の流通が円滑に進むことになり、多くの不動産会社は顧客の依頼を満たすためにレインズを使って情報を探します。このように現在の不動産売買において、レインズはなくてはならないインフラとも言えます。

レインズ自体は不動産会社しか見ることは出来ませんが、同じく不動産流通機構が運営しているレインズマーケットインフォメーションというサイトで、売買の事例を公開しています。こちらは誰でも見ることの出来るサイトで、日本各地で実際に行われたマンションや戸建てなどの取引事例を検索することが可能です。このサイトを使って近隣の取引事例を調べることで、相場を把握することが可能となります。

土地総合情報システム

土地総合情報システム

二つ目の方法は国土交通省が運営をしている不動産取引価格情報検索というサイトを使う方法です。先ほどのレインズマーケットインフォメーションと同様に、実際に行われて不動産売買の事例を調べることが出来ます。こちらのサイト特徴は、マンションや戸建てだけでなく林地や農地など幅広な物件の事例を調べることが出来る点です。

また取引データをダウンロードをすることで、2005年以降の取引価格も調べることが出来ます。そのためエクセルなどを使って過去の大量データを分析する事が出来るので、詳しく相場を調査するには適しています。取引事例を調べる際には、出来るだけ立地や築年数などの条件が近い物件の事例を参考にすることが重要です。

ここで紹介をしている二つのサイトを使って、出来るだけ条件の近い成約事例を調べることで、より正確にマンションの売却相場を調べることが出来ます。

売り出し価格を調査する

三つ目の方法はインターネットサイトを使って、マンションの売出価格などを調べる方法です。実際に売出をされている価格を調べることで、自分が売却する際の価格設定の参考にすることが出来ます。同条件の物件の売り出し価格と比較して、あまりに高い価格設定をしてしまうと買主候補も見つけずらくなってしまいます。逆に低くしてしまっても、売りやすくはなっても相場よりも低い価格で売却してしまうことになります。

このように同じような条件のマンションが、どれくらいの価格で売りに出されているのかも合わせて調べておくことも重要です。不動産の売却情報サイトにはたくさんの種類がありますので、売出価格を調べる際には複数のサイトを調べて比較すると良いでしょう。

不動産会社で一括査定をする

四つ目の方法は、不動産会社の査定を利用する方法です。不動産会社が行う査定は、不動産のプロである不動産会社の担当が、実際の物件や相場などを調べておおよその売却価格を算出してくれます。そのためより正確に物件の相場を知ることが出来るので、売却相場を調べる際にはおすすめの方法です。

不動産会社に査定を取ってもらうためには、不動産会社に依頼をする必要があります。しかし不動産会社は数も多く、また普段不動産会社と接する機会はそう多くはないためどこの不動産会社に依頼をすれば良いかも分からないでしょう。そこで役立つのが、一括査定です。

一括査定を使えばインターネット上から一度の依頼で、複数の不動産会社へと査定依頼をすることが出来ます。依頼が出来る不動産会社の数が多いので、大手不動産会社から地域に密着した不動会社までまとめて依頼をすることも可能です。マンションの売却相場を調べる際には、ぜひ一括査定を活用すると良いでしょう。

マンション売却にかかる費用

計算機と木のマンション
マンションを売却する際には、いくらで売却が出来るかに気が向いてしまいがちですが、売却の際に必要な費用についても確認しておくことが重要です。通常マンションを売却する際には、売却価格の5~10%程度の諸費用が必要になると言われています。マンションの場合は価格も高額ですから、諸費用もどうしても高額になってしまいがちです。

マンションの売却をする際には、必要な諸費用の種類と金額を押さえておくことが重要です。マンション売却の際に必要な費用には、下記のようなものがあります。

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 抵当権抹消費用
  • 所得税・住民税
  • その他費用

費用の中でも一番大きな金額になるのが仲介手数料です。仲介手数料とは売却を依頼した不動産会社に払う手数料のことで、通常は売却金額の3%が相場です。マンションの売却において不動産会社の果たす役割はとても大きく、買主探しから売買の事務など多岐に亘ります。その不動産会社の働きに対して報酬として払うのが、仲介手数料と言えます。

他にも売買契約書に貼付けをする印紙代や、売却するマンションにローンが残っている場合には抵当権の抹消費用なども必要になります。また忘れてはならないのが、売却にともなって譲渡所得税や住民税が発生する場合もあることです。これらの税金は仲介手数料などと違って、売却した翌年に確定申告をして納税をする必要があります。

うっかり忘れてしまうと、延滞税などが発生してしまいますからきちんと手続きをしておくことが大切です。またその他の費用として、マンションの売却に伴って引っ越しをする際の引っ越し費用や、マンションを売却しやすくするために行うハウスクリーニングなどの費用も必要になる場合もあります。

このようにマンションを売却するにはたくさんの諸費用が必要になるので、事前に諸費用の内容をきちんと確認して資金計画をたてておくことが重要です。


マンション売却相場を調べる際の注意点

女性
先程マンション売却相場の調べ方について紹介をしましたが、自分でマンションの売却相場を調べる際には注意も必要です。普段からマンションの相場や不動産に詳しい方でなければ、日常的にマンションの相場を調べている方はそう多くないでしょう。

そのため間違った調べ方をしてしまっては、せっかく相場を調べても意味がありませんし売却に失敗をしてしまう可能性もあります。マンションの相場を調べる際には、出来るだけ正確な相場を知ることが重要です。ここでは出来るだけ正確にマンション相場を調べる際の、注意点について紹介をしていきます。

出来るだけ近い条件の事例を参考にする

レインズマーケットインフォメーションや不動産取引価格情報検索を使って、近隣で行われた売買事例を調べる方法を先ほど紹介しました。近隣で行われた売買事例はとても重要な参考指標なので、マンション売却の際にはぜひ調べておくことが大切です。この際に注意をしたいのが、出来るだけ近い条件の事例を参考にすることです。

マンションの価格は立地やエリアなどで大きく変わることは先ほども説明しましたが、極端に言えば同じマンションでも階数や間取り、取引した時期によって価格が違います。そのため事例を参考にする際には、出来るだけ築年数や立地などの条件が近い事例を参考にするようにしましょう。

エリアも新宿区のような広い括りではなく、〇〇町や〇〇駅から徒歩何分というように出来るだけ細かく条件を絞って探すことでより正確な相場を調べることが出来ます。マンションの価格に影響を与える条件にはたくさんありますが、中でも下記のような事項は影響が大きいです。そのため事例を参考にする際には、下記のような条件が近い事例を探すようにしましょう。

  • 築年数
  • 最寄駅からの距離
  • 間取り・部屋の広さ
  • 部屋の向き・階数
  • マンションのブランド、施工業者
  • 取引された時期

物件の特性を理解する

マンションの売却相場を調べる際には、物件の特徴を知っておくことも重要です。マンションには自己居住目的で買う方もいれば、賃貸に出す事を目的として買う方もいます。購入理由がそれぞれ違えば、同じマンションであっても調べておくべき相場も違います。

例えば自己居住用で購入を検討する方は、物件の住みやすなどの条件面と価格のバランスで購入を決定します。一方投資目的で購入を検討する方は、物件からのリターンと価格のバランスで購入するかどうかを決めます。同じ買主のようでもそれぞれ目的が違うので、求める価格水準や比較する相場も違ってきます。

売却するマンションが都内のタワーマンションのように、投資目的での買主が検討する可能性のある物件であれば、賃貸に出した時の賃料相場なども合わせて調べておくと良いでしょう。投資目的で検討する買主はリターンの目安として、利回りで物件を比較します。周囲の利回り相場なども調べたうえで、価格設定を考えていくと良いでしょう。

査定は必ず複数社を比較する

相場を調べる際には、不動産会社の査定を利用するのもおすすめの方法です。不動産会社の査定を利用する際の注意点としては、必ず複数社の査定を比較することです。実は不動産会社にも種類があり、それぞれ得意な業務が違います。マンションの売買が得意な不動産会社もあれば、物件の管理や賃貸が得意な不動産会社もあります。

そのため同じ物件であっても査定額は不動産会社によっては、価格が大きく違います。マンション売却があまり得意な不動産会社でない場合は、もしかしたら相場とはかけ離れた査定額になっている可能性があります。そのためマンションの相場を調べる際には、複数の不動産会社から査定を取って必ず比較することが大事です。複数の査定を比較することで、より正確な相場が分かります。

また複数の不動産会社を比較することで、信頼の出来る不動産会社を見つけることも可能になります。査定を取ることで相場を調べながらも、不動産会社探しも同時に行うことが出来ます。複数の不動産会社の査定を取る際には、先ほど紹介をした一括査定の利用が便利です。

マンションを相場より高く売却する方法

男性の写真
今回の記事ではマンション売却相場について詳しく解説をして来ましたが、実際の売却価格は相場で決まるわけではありません。相場はあくまで重要な参考価格であって、実際の売買の価格は売主と買主の交渉で決定をします。つまりマンション価格は売り方次第では相場よりも高く売ることも可能です。ここからはマンションを相場よりも高く売却する方法について見ていきましょう。

査定で高くなる点を理解する

今回の記事では不動産会社の無料査定について何度か説明をしています。査定はあくまで不動産会社がおおよその売却価格を算出するものですが、売却価格に全く影響がない訳ではありません。何故かというと査定価格も価格交渉の際の材料一つになるからです。

買主と価格交渉を行う際には、様々な価格を参考にします。その代表的なものが売却相場や取引事例ですが、不動産会社の査定もその一つです。もちろん相場とかけ離れているような信頼性の薄い査定では意味がありませんが、複数の不動産会社から査定を取っておけば交渉の材料の一つになります。このように査定額も売却価格に影響を及ぼすことを理解しておきましょう。

経済情勢の相場も理解しておく

マンションを高く売るためには、経済情勢などの相場も理解しておくことが重要です。マンションの相場は常に変動をしていますが、その要因は景気などの経済情勢にあります。景気が良くなれば住宅ローンも借りやすくなりますし給料も上がるので、マンションを買う方が増えて価格も上がります。このように景気とマンション価格は連動していると言えます。

実際に景気を表す代表的な指数である株価と、中古マンションの価格は似たような動きをしています。株価の推移と中古マンションの推移を重ねてみると、下記のようになります。
株価と不動産価格の関係
参照:国土交通省「住宅価格指数」を参考に当方作成

マンション価格は株の価格程は激しく上下はしませんが、上記の通り長い期間で比較をすると同じような推移をしていることが分かります。一般的には中古マンションの価格は、株価の動きから6ヶ月程度遅れて反応すると言われています。完全に一致する訳ではありませんが、マンション売却のタイミングを見極めるにはこのような株価などの経済情勢を見極めることも重要なポイントの一つです。

売り急がないようにする

マンション売却の際には、売り急がないこともポイントです。マンションに限らず不動産を売却する際に、早く売却することを優先してしまうと、どうしても価格の優先順位を下げることになってしまいます。希望した価格ではない場合でも、早く売るためにはやむなく値下げに応じざるを得ない場合もあるからです。また売り急いでいる事が買主に伝わってしまうと、足元を見られてしまう可能性もあります。

このようにマンション売却の際には売り急がないことが重要ですが、転勤や納税資金確保などの売却する事情によっては期限が決まっている場合もあります。このような場合ではどうしても価格よりも早く売ることを優先せざるを得ませんが、出来るだけ買主に対しては余裕のあるように見せることも大切です。

ただし売れ残っては意味がないので注意

売り急がないことはとても重要ですが、長期間売却活動を続けることもあまり好ましくありません。矛盾をしているようですが、長期間売却活動を行っている物件は「売れ残っている」という印象を与えてしまいます。特にマンションの場合は、居住目的で探している買主が多いです。自分で住むためのマンションを探している買主は、狭いエリアで物件を探していることも多いです。

そうすると長期間売却情報を出していると、何度も同じ物件の情報を目にすることになります。つまり「売れ残っている」物件という風に見えてしまい、何か物件に悪い点があると疑って見てしまいます。その時点で物件の候補から外されてします可能性もありますから、あまり長期間売却活動を続けるのは好ましくありません。一般的には売却活動期間が6ヶ月を超えてくると、価格が下がり始めると言われています。

マンションを売却する際には売り急いではいけませんが、あまり長く売却を続けるのもよくありません。「売れ残った」という印象を与えない程度のところで売却出来るようにすることもポイント一つです。

ハウスクリーニングを行う

マンションの購入を検討している買主の多くは、検討段階でマンションの室内を内覧します。内覧の際の印象によって、購入の意思決定をすることも多いでしょう。そのため内覧の際に印象を良くすることは、売却を成功させるためには重要なポイントの一つです。

内覧の際に印象を良くするために重要なことは、室内を綺麗にしておくことです。特に玄関や汚れやすい水回りなどは重要なので、清掃を徹底しておくことが重要です。しかしキッチンや水回りなどは、通常の清掃などでは中々落ちにくい汚れもあります。そのような場合は、ハウスクリーニングを行うことも検討しましょう。

ハウスクリーニングを行うには当然費用がかかりますが、行っておくことで売却がスムーズに出来る可能性が高まります。室内の汚れが目立つ場合には、ハウスクリーニングの費用は必要経費と割り切って行うことでスムーズに売却することが出来ます。一般的なハウスクリーニングに必要な費用は下記のようになっていますので、参考にして下さい。

ハウスクリーニングの費用
場所 費用相場
浴室 12,000円~18,000円
キッチン 12,000円~20,000円
レンジフード・換気扇 12,000円~14,000円
トイレ 10,000円~15,000円
洗面所 8,000円~12,000円
床のクリーニング 8,000円~12,000円(6畳当たり)
エアコン 10,000円~15,000円

内覧者の印象を良くする

内覧の際には印象を良くすることがマンション売却成功の秘訣ですが、ハウスクリーニング以外にも注意点があります。内覧の際に出来るだけ部屋を明るくして、清潔感を出すことで内覧者の印象は更に良くなります。また内覧の際の対応を不動産会社に任せるのではなく、売主として同席をすることもポイントの一つです。

売主だからこそ知っているマンションの良いポイントをさりげなく伝えることで、買主の印象を良くすることが出来ます。周辺に24時間営業のスーパーがある・ベランダの夜景が綺麗などの情報や、ご近所にも子育て世代が多い・ペットを飼っているお宅も多いなどの情報も買主にとっては有力な情報となります。

このように内覧時の対応を良くすることで、マンション売却に成功出来る可能性が高まります。内覧時の印象を良くするには様々な方法がありますが、代表的なものに下記のようなことがあります。ぜひ内覧対応の参考にしてください。

内覧時の対応

  • 掃除を徹底して綺麗にすること。臭いにも注意して喚起をしておく。
  • 玄関は第一印象を決めるポイント。靴は片付けて広く見える工夫を。
  • リビングにはとにかく物を置かないこで広く見える。
  • 電気は昼間でも全て付けておくことで明るく見える効果がある。
  • 水回りの掃除は特に念入りに。
  • ベランダの掃除は忘れてしまいがちなので、気を付ける。
  • スリッパの準備も忘れずに。
  • 売り主しか知らない良いポイント(夏は花火が見える等)をさりげなく伝える。
  • 内覧者に対してはおもてなしの精神で接する。

マンションに強い不動産会社を探す

マンション売却の際、不動産会社の働きはとても重要なポイントになります。不動産会社がマンション売却のプロセスの中で担う項目はとても多く、買主探しから価格交渉・売買の事務手続きなど多岐に亘ります。特に買主探しや価格交渉は重要な項目で、マンションが高く売却出来るかどうかもこの点にかかっていると言えます。

そのためマンション売却に成功するためには、不動産会社選びがとても重要になります。不動産会社には様々な種類があることは先ほども説明をしましたが、出来るだけマンション売却に強い不動産会社を探すことが成功の秘訣と言えます。マンションの相場に強くマンション売却に慣れている不動産会社に依頼することで、少しでもマンションを高く売れる可能性が高まります。

マンションに強い不動産会社を探すには、複数の不動産会社を比較することが近道です。下記のような一括査定サイトを使えば、簡単に複数の不動産会社の比較が出来るので不動産会社選びにはとても役立ちます。マンション売却の際には、ぜひ活用すると良いでしょう。

家を売りたいと悩んでいる方へ

何も決まっていなくても大丈夫です

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媒介契約にも注意しよう

信頼出来る不動産会社を見つけても、まだ安心できる訳ではありません。不動産会社に正式に売却を依頼するにはその不動産会社と媒介契約を結ぶことになる訳ですが、媒介契約には種類があるためです。媒介契約の種類によって不動産会社の動き方が違ってくるため、物件の特性に応じた媒介契約を結ぶ必要があります。

媒介契約には3種類あり、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介があります。それぞれの契約には特徴があり、契約の種類によって不動産会社の売却活動も変わってきます。媒介契約の種類と特徴は、下記のようになります。



一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
他の不動産会社と契約できるか? × ×
自分で見つけた買い手と契約できるか? ×
売却活動の報告義務 無し 2週間に一回 1週間に一回
レインズへの登録義務 無し 契約後、七日以内 契約後、五日以内
契約期間 規定なし 3ヶ月以内 3ヶ月以内

一番の大きな違いは他の不動産会社とも契約が出来るかどうかです。一般媒介は他の不動産会社とも契約が出来るのに対し、専任媒介・専属専任媒介では出来ません。また専任媒介では自分で探した買主に売却することが出来ますが、専属専任媒介ではそれも出来ません。

一般媒介→専任媒介→専属専任媒介の順番に不動産会社への依存度が強くなっていきます。一般的には他の不動産会社と契約が出来ない専任媒介や専属専任媒介の方が、売却に成功はしやすいと言われています。不動産会社からすると専任媒介や専属専任媒介は他の不動産会社に邪魔されることもないので、集中して売却活動がしやすいです。他で決まることもないので仲介手数料が取りやすく、不動産会社としては力を入れやすい契約形態です。

一方で専任媒介や専属専任媒介は、競争の原理は働きません。不動産会社が情報を抱え込んでしまって、結果としていつまでも決まらないというケースも少なくありません。そのため比較的需要の高い物件の場合は、一般媒介を選択する方が良い場合もあります。複数の不動産会社を競わせることで、高く売却出来る場合もあります。このように媒介契約のそれぞれの特徴を理解して、適切な種類の契約を結ぶことも売却成功のポイントの一つです。

まとめ|マンション売却成功の秘訣は相場調査と不動産会社選び

夫婦を案内する女性
今回の記事ではマンションの売却相場について、詳しく解説をしてきました。マンションの売却価格には決まった水準がある訳ではなく、売主と買主の交渉によって決まります。しかし交渉の際には周辺のマンション相場の価格などを参考にするので、マンション売却の際には相場を確認しておくことはとても重要です。

マンションの相場は常に変動しているのが特徴で、その変動要因には様々なものがあります。物件の立地や築年数だけでなく、マンションのブランドや管理状況などによっても大きく変動をします。また株価などの経済情勢によっても相場は大きく変動することも、マンション売却の際には重要なポイントです。

このようにマンションを売却する際には相場を見極めることが重要ですが、マンションを高く売るためには売却の際の工夫も必要です。売却時の注意点を抑えることで、相場よりもマンションを高く売れる可能性が高まります。マンションを高く売るための方法の中でも、重要なのが不動産会社選びです。

マンション売却における活動の中で不動産会社の果たす役割はとても多く、そのため信頼出来る不動産会社を見つけられるかどうかが、売却成功の重要なポイントの一つです。信頼出来る不動産会社を探すのは簡単ではありませんが、複数の不動産会社を比較することで信頼出来る不動産会社を見つけることが出来ます。

マンション売却の際には、記事中でも紹介をした一括査定サイトを使って複数の不動産会社を比較して、信頼出来る不動産会社を見つけることが成功への近道と言えます。これからマンション売却をする予定のある方や、現在マンションを保有している方はぜひ今回の記事を参考にして、売却を成功させて下さい。

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