「少しでもいいからマンションの売却価格は高い方がいい!」売主の多くはこう願っていますよね。
不動産が査定した額は定価ではないため、売主の判断と買主の価格交渉で変わってきます。
このとき、相場よりも低い売却価格からスタートすると損してしまい、逆に高く設定すると売れ残りという状態が続いてしまうでしょう。できるだけ築年数が浅いうちに、早く売却したいですよね。
そこで今回は、マンション売却の価格相場を知る最適な方法や東京23区のマンション売却価格の相場について、詳しくお伝えします。
目次
マンションを売る前に相場を知るメリットは?
誰でも必ず「売りたい額」があると思います。しかし、希望した額より最終的に大幅ダウンしてしまうケースが多いんです。すべてとはいえませんが、これはマンションを売却する時に相場を調べていなかったことが、関係しているといえるでしょう。
マンションを売るとき、多くの方は不動産会社へ依頼します。ここで準備して欲しいことが「平均相場を知ること」です。相場を知ることで、次のようなメリットがあります。
- 売れる価格がわかる(売れ残り防止できる)
- 利益額のイメージ(資金計画ができる)
- 査定額の納得(正しいか判断できる)
売却されているマンションを見ると、いつまでも残っている物件もすくなくありません。これは、売主が売りたい希望額と相場額に大きな差があるからです。
多くの方はできるだけ売却価格は高く設定したいと思いますが、相場を見ると希望額より500万円も下というケースは珍しくありません。
売れない状態が続くと、どんどん売却価格も下がってしまうため、売れ残り防止のためにも相場はしっかり確認しておくことが理想的です。
マンション売却の相場を調べる方法は?
どれくらいでマンションは売却されているのか。2つの方法で費用相場は調べられます。
- 過去の取引価格を確認する
- 現在の取引価格を確認する
いずれも、売却予定のマンション近隣の情報を確認しましょう。具体的な調べ方について、それぞれ詳しく確認していきましょう。
過去のマンション売却価格を確認する方法
過去の売却価格については、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営する「REINS」で確認できます。
売却するマンションの都道府県・地域の情報だけで、平均相場の取引情報がグラフで検索できます。詳細設定で細かいデータもわかりますが、あくまで過去の相場なので参考程度に確認することをおすすめします。
現在のマンション売却価格を確認する方法
マンションの価格は、人気の地域や立地・治安によっても左右されます。これからマンションを売却するのであれば、現在の平均相場を知る方はメリットが高いといえるでしょう。
マンションの売却価格は、大手不動産会社が提供している不動産情報でわかります。近隣の物件がどれくらいで販売されているのか、いくつかのサイトで平均相場を確認してみましょう。
マンション売却価格を左右する仲介手数料の相場も確認しよう
はじめてマンションを売るとき、なにもわからない状態での売却は大変危険です!
不動産会社はいわば売却のプロ。自分たちにとって有利となる売り方をします。そのひとつとなるのが「仲介手数料」です。
売主と買主の間に入る不動産会社にとって唯一の収入源。仲介手数料は宅地建物取引業法により、次のように上限が設定されています。
売却額 | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下 | 取引額×5% |
200万円~400万円以下 | 取引額×4%+2万円 |
400万円以上 | 取引額×3%+6万円 |
上記の仲介手数料は、消費税をプラスして計算します。
たとえば、2000万円のマンションを売ると、不動産会社は仲介手数料として「68万400円」が売却費用より差し引かれます。
不動産会社によって仲介手数料が半額や割引がある
仲介手数料が半額やタダという不動産会社も珍しくありません。これは、売主と買主の両方から業者は手数料を受け取れるため、少しでも多く利用してもらう策でもあります。
一般的に仲介手数料の相場は上限ギリギリといわれていますが、ここ数年は半額や無料で対応するケースも増えています。
少しでも手元に残る売却価格を多くしたいのであれば、仲介手数料を割引している不動産会社を選ぶのも、ひとつの方法と言えるでしょう。
マンション売却の相場は築年数で変わる!
マンション売却の相場価格でもっとも重要になるのが「築年数」です。賃貸に住むときや中古物件を探すとき、築年数を気にして選びませんか?また、中古車を選ぶときも“年式”を必ず確認すると思います。
これから住むもの・使うものを中古で購入するとき、できるだけ“新品に近い状態”を選んでしまいますよね。
どうしても売る側の立場でマンションの価格を設定しがちですが、買う側の立場に立って一度考えてみましょう。できるだけ新しく、そして相場相応の価格は目に止まりやすいですよね!
このようなことから、マンションの売却価格も築年数で大きく左右されてしまいます。
マンション売却なら築10年までが相場は高い!
東日本不動産流通機構による「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」から、次のようなデータがわかりました。
築年数 | 売却価格 | 差額 |
---|---|---|
0~5年 | 5,105万円 | - |
6~10年 | 4,486万円 | 619万円 |
11~15年 | 4,083万円 | 403万円 |
16~20年 | 3,411万円 | 472万円 |
21~25年 | 2,183万円 | 1,228万円 |
26~30年 | 1,686万円 | 497万円 |
31年~ | 1,759万円 | プラス73万円 |
築年数が5年未満と10年未満では、約620万円も売却価格に差があります。築10年以上経過した物件は、平均価格が4,000万円を切ってしまうため、計画していた利益より大幅に下がる可能性が高いです。
売却するマンションの環境によって価格が違ってきますが、それ以上に築年数は利益額に大きく関係していることを覚えておきましょう。
築30年のマンション売却は注意!相場が低くなる可能性大
現在、日本では建物の耐用年数を「木造戸建て住宅は22年・鉄筋コンクリートは47年」と定めています。マンションの造りは鉄筋コンクリートが一般的なため、47年の耐用年数があります。
売却の査定額はこの耐用年数も関係してくるため、築年数が古いほど価値が下がってしまいます。
先ほど、築年数と売却価格の表を紹介しました。物件が古いほど売れる費用が低くなり築10年未満と築30年以上のマンションでは売却価格が「2,727万円」も差が出てしまう計算です。
また、築30年以上のマンション売却は、価格の下落だけではありません!成約率までも下がってしまうのです。
築年数 | 売却価格 | 成約率 |
---|---|---|
0~5年 | 5,105万円 | 23.50% |
6~10年 | 4,486万円 | 23.40% |
11~15年 | 4,083万円 | 25.90% |
16~20年 | 3,411万円 | 22.60% |
21~25年 | 2,183万円 | 18.70% |
26~30年 | 1,686万円 | 14.10% |
31年~ | 1,759万円 | 15.40% |
相場相応の価格で売っても、築30年以上のマンションは買主に見向きもされない状態に陥る可能性も十分考えられます。こうなると、相場価格よりもさらに下げて、多くの人に売却物件を見てもらう手段が必要になってしまいます。
築年数の古いマンションは、求めていた売却価格とは程遠い状態も避けられないと言えるでしょう。
東京23区内を調査!マンション売却の査定相場額は?
実際にマンションを売却した場合、どれくらいの査定相場になるのでしょうか。一番マンション売買率が高い東京23区内のいくつかをケースに、大手不動産サイトで相場価格を調べてみました。
今回は、以下のデータで調査しています。
最寄り駅 | 徒歩15分 |
---|---|
築年数 | 10年 |
専有面積 | 115m2 |
シミュレーター | スーモ |
墨田区でマンション売却した相場額
東京墨田区といえばスカイツリーや昔ながらの商店が多いこと。また、23区の中でも千葉県に近いことから、ディズニーランドまですぐ遊びに行けると家族層にも人気の街です。
観光スポットとアクセス良好が揃った墨田区で、マンションを売却したときの平均相場がこちらです。
最寄り駅 | 売却相場額 |
---|---|
都営浅草線 五反田駅 |
7,800万円~9,500万円 |
都営浅草線 戸越駅 |
9,600万円〜1億1,700万円 |
東武亀戸線 曳舟駅 |
3,800万円〜4,600万円 |
京成押上線 八広駅 |
4,000万円〜4,800万円 |
墨田区の中でも、どの地域のマンションなのかによって相場が違ってきます。住みやすい場所や住みたい場所など、買主の求める部分とマッチした物件は、相場の中でも上の価格で取引できるでしょう。
江戸川区でマンション売却した相場額
東京江戸川区は都心とは思えない緑豊かな地域。そして、子育て支援制度が都内でトップクラスとの理由から、子育て世帯に人気の高いエリアです。
江戸川区でマンション売却をしたときの平均相場がこちらです。
最寄り駅 | 売却相場額 |
---|---|
都営新宿線 瑞江駅 |
5,000万円〜6,100万円 |
都営新宿線 篠崎駅 |
4,900万円〜5,900万円 |
JR総武線快速 新小岩駅 |
4,100万円〜5,000万円 |
都営新宿線 船堀駅 |
5,400万円〜6,600万円 |
周辺には葛西臨海公園など家族やカップルで楽しめるレジャースポットも人気ですね。売却するマンションにもよりますが、ワンルームより家族で住める3LDK以上は人気が高いのではないでしょうか。
練馬区でマンション売却した相場額
東京練馬区は埼玉県に近いことから、都内と埼玉県の観光スポットのどちらにもお出かけできます。また、東京は狭い土地が多いのですが、練馬区は都内23区内でも敷地が広いことで注目されています。
そんな練馬区でマンションを売却したときの平均相場がこちらです。
最寄り駅 | 売却相場額 |
---|---|
東京メトロ有楽町線 平和台駅 |
5,800万円〜7,100万円 |
東京メトロ有楽町線 氷川台駅 |
6,000万円〜7,300万円 |
都営大江戸線 光が丘駅 |
5,700万円〜6,900万円 |
西武池袋線 富士見台駅 |
4,500万円〜5,400万円 |
練馬区の地域によっては畑があるなど、仕事とかけ離れたゆっくりとした休日が過ごせるエリアです。一人暮らしの方から家族層まで、幅広い年代に人気です。
豊島区でマンション売却した相場額
豊島区は年配層に人気の巣鴨や駒込エリアと、芸能人が多数住んでいることで有名な高級住宅地・目白エリアが有名です。
昔は犯罪率の高い街として不人気でしたが、現在はさまざまな対策から治安のよい街になりつつあります。そんな豊島区でマンションを売却したときの平均相場がこちらです。
最寄り駅 | 売却相場額 |
---|---|
西武池袋線 椎名町駅 |
7,300万円〜8,900万円 |
西武池袋線 東長崎駅 |
6,300万円〜7,800万円 |
東武東上線 下板橋駅 |
6,500万円〜8,000万円 |
東京メトロ有楽町線 要町駅 |
6,900万円〜8,400万円 |
豊島区は高級住宅街が広がることから、東京23区内でも平均相場が高めです。売却物件の価格以外にも、賃貸相場も高い地域なので、マンションの状態によっては希望額より高く売れる可能性も期待できるでしょう。
世田谷区でマンション売却した相場額
世田谷区といえば高級住宅街をイメージしますが、都内の中で住みたいエリアがいくつもランクインしている人気な場所。マンション近辺に商店街が隣接しているなど、買い物への不便もありません。
世田谷区でマンションを売却した場合の平均相場がこちらです。
最寄り駅 | 売却相場額 |
---|---|
小田急線 経堂駅 |
8,200万円〜1億100万円 |
小田急線 梅ヶ丘駅 |
6,800万円〜8,400万円 |
東急世田谷線 三軒茶屋駅 |
8,400万円〜1億300万円 |
京王井の頭線 下北沢駅 |
9,700万円〜1億1,900万円 |
どのエリアも道が狭いというデメリットがありますが、車がなくても電車でさまざまなエリアへお出かけできるため、一人暮らしから家族まで、住む人の幅が広い特徴があります。
人気エリアなだけあって売却相場も高く、買主との出会いも早いエリアと言えるでしょう。
まとめ|マンション売却相場は一括査定サイトで簡単に調べられる!
少しでもマンション売却の利益率を上げたいのであれば、絶対に相場を知っておくようにしましょう。相場の調べ方は、過去の売買情報のほか、現在売り出されている近隣の不動産情報で確認できます。
もっと具体的に知りたいのであれば、売却相場の査定ができるサイト利用がおすすめです。査定評価は不動産会社によって違うため、どこが一番高いか知るためには、一括査定サイトの利用が便利ですよ。
更新日:2020年11月20日