不動産売却を個人で行うことは可能?メリットとデメリットを解説

個人で不動産売却

不動産売却を個人で行うことはできる?

業者に頼らず、自分の手持ちの不動産を売却するのは不可能ではありません。ただし個人で不動産売却を行うには、様々なデメリットもあります。確かに不動産売却の場合、大きなお金が動きますので、発生する仲介料金もバカにはありません。全部自分で出来れば少なくとも仲介手数料だけは節約できます。

しかし素人である一般人が不動産売却をすべて自分で行うと、買い手との交渉が上手くいかないときや、思わぬトラブルに巻き込まれたときなど、すべて自分で対処する必要があるわけです。その結果、思っていたほどの価格で売れなかったり、予想外の経費が掛かってしまうこともあります。

不動産売却は結局、手数料を支払う以上のメリットがあるケースの方が多いのです。すでに親戚縁者など信頼できる相手に売却が決まっているような特殊なケースを除き、仲介業者に売却を委託した方がいいでしょう。

個人で不動産を売却する場合のメリットとデメリット

不動産も手持ちの資産ですので、基本的には個人の判断で売ったり買ったりできます。ただ不動産はリサイクルショップなどに不要な本やCDなどを売り払うのとは違い、登記などといった法的手続きが必要だったり、色々と面倒な手間が掛かるわけです。ただ自分のモノを自分で売れば、仲介手数料といった経費が節約できます。そうした個人で不動産売却を行う場合のメリットとデメリットを紹介しましょう。

不動産売却には資格は不要?宅建がなくても個人売買は可能!

個人での不動産売却のメリット・デメリットを紹介する前に、不動産業界にちょっと知識がある人だと、「宅建の資格がなくても不動産売買って出来るの?」と疑問に思う方がいるかもしれません。

宅建というのは、「宅地建物取引士(たくちたてものとりひきし)」という国家資格で、この資格を持っている人を「宅建士」と呼びます。資格の内容は不動産取引の仲介し、公正な取引をするモノです。不動産屋など土地取引を商売にしている企業は、その規模に合わせて一定数以上の宅建士を抱えなければなりません。

つまり商売として不動産取引をする場合、宅建士の資格が必要になるわけです。そうなると宅建士の資格のない一般人が不動産売却をすると違法になるのでは?という疑問が出てきます。しかし商売目的でない、1回限りの不動産売却であれば、宅建士の資格がなくても合法になのです。

宅建士の資格が必要なのは、不動産取引を仕事として行っている業者になります。個人であっても土地転がし目的で頻繁に土地を売り買いしていたら問題になりますが、利殖目的で所有しているわけではない不動産を手放すのであれば、宅建士の資格がなくても可能なのです。

個人による不動産売却のメリット①仲介手数料が不要!

個人で不動産売却をすることが法的に問題ないとわかったところで、個人売却のメリットは以下のようになります。

  • 仲介手数料が掛からない
  • 消費税が掛からない
  • 自分の希望条件が最大限に通せる

個人売買のメリットとして一番に指摘されるのは、不動産売却手続きを業者に委託した場合に発生する“仲介手数料”が掛からないという点です。業者に支払う仲介手数料は「宅建業法」という法律で上限が定められています。売買代金によってそのパーセンテージに違いがありますが、売買代金が400万円を超えた時点で取引価格×3%+6万円(税抜き)になります。

不動産売却で400万円を下回ることはあまりないと思いますので、契約が成立すると多くの場合は上記の割合で仲介業者に支払う必要が出てくるわけです。ただ3%プラスといってもバカにはなりません。売買価格がギリギリの400万円で売れた場合でも、18万円(プラス消費税)が発生します。18万円といえば使い手はありませんが、稼ぐとなったら結構大変な金額です。個人で不動産売却をする場合、節約できる経費としては大きいと言えるでしょう。

個人による不動産売却のメリット②消費税が掛からない!

1989(平成元)年に消費税が導入されて以来、何でもかんでも買い物をすれば消費税がかかるのは当然のご時勢です。ところが個人で不動産売買を行った場合、消費税は発生しません。意外に思う方もいるかもしれませんが、土地建物に関しては個人が売却する場合、消費税は非課税になります。これが仲介業者など“事業者”が物件を扱うと、土地以外はすべて課税対象になってしまうわけです。

消費税は2017年現在8%ですが、仲介手数料同様、何百万~数千万円で売買される不動産の場合、決してバカにならない金額が節約できます。
もっとも消費税を支払うのは、あくまで不動産の買い手であり、売り手にとっては直接のメリットとは言いがたいのですが、契約交渉をする上で大きなセールスポイントになるでしょう。

個人による不動産売却のメリット③自分の希望が通せる!

個人での不動産売却は、すべての手続きや交渉を自分で行います。ですから売買条件も最大限自分の主張を通すことも可能です。不動産会社などの業者に仲介をしてもらった場合、査定などが自分の評価が異なることは珍しくはありません。

業者の査定は、基本的に不動産の価値を公正かつ客観的に行っていることになっています。

ただそんな公正で客観的な査定が、必ずしも売り手に納得がいくモノだとは限りません。個人的な思い入れや、事情で査定以上の金額で売却したいと思う人もいるわけです。不当と言われるほど高額でなければ、買い手と交渉して自分の希望する金額で契約を成立させることも、個人であれば業者に任せるより成功率は高くなるでしょう。

しかしこのメリットを活かすには、もちろん売り手個人の交渉力が問われます。口下手だったり交渉事が苦手な人の場合は、業者に任せた方がいい結果になるかもしれません。とはいえ買い手が親兄弟や親戚縁者、あるいは信頼できる友人知人であった場合、売り手の事情を理解してくれれば、相場や査定といった客観的な評価以上の価格で買ってくれるケースもあります。

個人による不動産売却のデメリット①すべて自分で行わなければならない

不動産の売買は個人レベルより、業者を間に挟んだ仲介が一般的です。それは個人による不動産売買が、なかなか越えられない大きなデメリットを抱えているといえるでしょう。具体的には下記のようなモノが上げられます。

  • 売買手続きをすべて自分で行わなければならない
  • トラブル対応が難しい
  • 金融機関の融資が難しい

個人での不動産売却におけるデメリットは、“すべて自分で行わなければならない”ということに尽きるとも考えられます。まず不動産を売却しようと思った場合、買い手も自分で探さなければなりません。最近はネットを使って広く買い手を探すことも出来るようになりました。しかしそんなサイトの使い方や効果的な物件の案内方法など、買い手が注目するようなノウハウは、やっぱり自分で手探りで覚えていくしかないのです。

また買い手との交渉もすべて自分で対応する必要があります。物件の下見から交渉、あるいは必要書類の作成も売り手自身が対応しなければならないわけです。売却するべき不動産を持っている人といえば、大抵は他に仕事を持っている人ですので、本業のかたわら、買い手に合わせて物件を案内したり、手続きに必要な書類を作ったりするのは大変な手間でしょう。

個人による不動産売却のデメリット②トラブル対応も自己責任!

個人で不動産売却をする場合、契約成立後に発生した問題も売り手が追わなければならないことがあります。このデメリットも広義の意味でいえば、個人による不動産売却はすべて自分自身で対応しなければならないという事になりますが、仲介業者以上に面倒なことになる可能性があるのです。

買い手が見つかって契約前にしろ後にしろ、何かトラブルが発生した時、その対処も売り手自身が対応しなければなりません。もともと不動産業界の人であれば、知識も経験もあるのでスムーズに対応できるかもしれませんが、売却に関して全くの素人だった場合、トラブルが大きくなって契約が成立できなかったり、最悪の場合賠償問題にまで発展する可能性もあります。

それらのトラブルの中で最も気をつけなければならないのは瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)です。

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは

瑕疵担保責任というのは、売却した不動産で不具合が発生した場合、その不具合を解消する責任を売り手が負うというものになります。もちろん不動産に不具合があっても、契約前に買い手にちゃんと説明して、相手がそれを納得した上で不動産を購入したのであれば、後になって責任を負う必要はありません。

しかし契約前に情報開示を忘れたり、売り手自身が気づかなかった不具合が発覚した場合、その問題は売り手の責任で解消しなければならないのです。しかもこの瑕疵担保責任は、原則として売却後10年も追わなければなりません。ちなみに、個人が不動産会社などの仲介業者に売却を委託した場合でも、売り主は依頼者ですので、瑕疵担保責任は不動産会社ではなく売り手(依頼者)側が負うのが一般的です。あくまでも不動産会社は「仲介」者であり、「売り主」は依頼者個人となります。なお、物件を不動産会社に売却後、不動産会社が物件を売りに出した場合は、もちろん不動産会社が瑕疵担保責任を追うこととなります。

ただ、中古物件を個人間(仲介業者を通した場合でも)で不動産取引する場合において、ほとんどの中古物件は瑕疵担保責任免責での取引になっているため、売り主側が責任を追わずにすむ契約が多いようです。瑕疵担保責任免責は、中古物件や土地などに瑕疵があったとしても売り主は責任を負わないという趣旨の内容です。

個人による不動産売却のデメリット③金融機関からの融資が難しくなる?

個人で不動産売買をする場合、銀行の融資が受けられないケースがあります。これは買い手が売却資金をどう調達するかという問題です。買い手が大金持ちで、契約金額をポンと支払えるのであれば関係のない話になります。しかし大抵の買い手は不動産の購入資金は、銀行などの金融機関から融資を受けてローンを組むわけです。

ところが個人の不動産売買の場合、ローンの稟議が通らないケースがあります。不動産取得に限らず、金融機関が融資を決定するには、様々な審査書類が必要です。不動産の場合、融資決定における最も重要な書類は、“不動産売買契約書”と“重要事項説明書”という書類になります。

不動産売買契約書は、不正な借り出しを防ぐために本当に不動産の売買契約が行われるのかを証明するためのモノです。これは売り手と買い手との間で当然交わされる書類ですので問題はないでしょう。ただ不動産の瑕疵や現状を説明する重要事項説明書は、個人売買の場合作成することができません。

実は正式な重要事項説明書は、宅建の資格を持った人でないと作れないのです。金融機関としては融資する際の担保として、売買する不動産物件の抵当権をとるのが普通で、その担保の評価額を決めるのに重要事項説明書が必要になります。まぁ、担保評価をするのに書類がなければ、金融機関の社員自身が現場に出向くなりすればいいのですが、やはり予め書類があるのにこしたことはありません。

そんなわけで個人における不動産売却は、買い手が金融機関から融資を受ける場合、上手くいかないこともあります。買い手と金融機関の日頃からのつき合いもありますので、絶対に融資が降りないということもありませんが、仲介業者を介さない場合と比べて、マイナス要素が大きいことは覚えておきましょう。

まとめ|不動産の個人売買は知り合い同士ならOK

個人による不動産売却は、不可能ではありませんが、それなりにメリットとデメリットがあります。個人売却の方がいい場合は二つあります。

  1. 業界の知識が十分にある人
  2. 信用の出来る売り手がすでに決まっている人

売却の仕方を全部知っていれば、業者は不要?

不動産業界で仕事をしており、不動産売却に関しての知識も経験も十分にあるのであれば、仲介業者を頼まずに自分自身で売却手続きをしても問題はないでしょう。買い手探しから条件交渉などの手続きを全部自分で出来るのであれば、わざわざ仲介手数料を払う必要はないわけです。

ただ個人で不動産売却をやろうと思った場合、スムーズに事が運ぶのは不動産業界の“現役”であることも条件です。不動産に関する法律や条令は、結構変化が激しく、すでに現役ではない場合、業界にいた頃とはルールが変わっていることもよくあるのです。

また本業をこなすかたわら、自分の不動産売却に関する諸手続きをするのは、結構時間も手間も掛かります。業界人であれば、実際に掛かる手間と仲介手数料を比較してみて、どちらが得かはわかると思いますので、その点を考えて決断しましょう。

知り合いに売れるのであれば、個人売買の方が話は早い?

個人による不動産売却でメリットが大きいケースは、買い手が親兄弟や親戚縁者、あるいは気心の知れた信用できる友人知人だった場合です。買い手がそんな知り合いであれば、物件の瑕疵などで揉めることも少ないでしょうし、具体的な売買金額の交渉も、仲介業者を介する必要もありません。

もちろん買い手側に、不動産を買えるだけの資金力があることが前提ですが、個人による不動産売却でメリットがあるのは、書いてが信頼できる知り合いだった場合が一番だと言えるでしょう。

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