不動産の売却を途中で止めた場合「広告の出稿費用」はどうなるの?

広告費用

不動産を売却したいときは、まず広告を出して購入希望者を探します。

不動産会社でオリジナルのチラシや看板を作成することもあれば、不動産情報誌やインターネットサイトに広告を出稿することもあります。
情報誌やインターネットの広告は、より広いエリアで購入希望者を探すことができるので大変便利な手段です。ただし広告を出稿するには費用がかかります。この出稿費用はいったい誰がどのように負担する仕組みになっているのでしょうか。

不動産の広告費はいつ払う?

広告費は仲介手数料に含まれる

不動産の売買仲介業務の基本として、広告費は仲介手数料(=媒介報酬)に含まれます。これは宅地建物取引業法という法律ではっきりと定められており、不動産業者は媒介報酬以外の費用を請求することは原則として禁じられています。

媒介報酬はその名の通り、仲介業務への成功報酬

購入希望者が見つかり売買契約が成立することで初めて発生する報酬で、売買契約時に50%、引き渡し時に50%払うのが一般的です。購入希望者が見つからない段階で売却をキャンセルしても媒介報酬を支払う必要はありません。

別途費用を払わなければならない「特別な広告」とは?

不動産業者が仲介手数料(=媒介報酬)以外の費用を請求することは「原則として」禁じられている、と言いましたが、例外的に請求を認められるケースがあります。売主の依頼した「特別な広告」の費用がこれにあたります。

特別な広告とは、通常行う広告以外のもので、仲介手数料ではまかなえないものであり、売主が特別に依頼した場合に限ります。購入希望者がなかなか見つからないからといった理由をつけて不動産業者が勝手に広告を行っても、その費用を請求することはできません。

また特別に依頼があった広告でも「手数料」というものは請求できず、必ず実費で請求するよう決められています。

不動産の仲介手数料の範囲内で行われる広告とは?

それでは仲介手数料の範囲内で通常行う広告とはどのようなものがあるのでしょうか。

不動産業者が利用する物件データベースであるREINS(レインズ)への登録、店頭での紹介、チラシの投函や新聞の折込広告、看板、情報誌やインターネットの広告などがあげられます。家を探すときに普通に目にするような広告であれば、基本的に通常の広告の範囲内と考えて良いでしょう。チラシや看板の作成費や投函の人件費、折込広告やインターネット広告の出稿費用などを別途請求することはできません。

不動産売却を途中で止めた場合、広告費はどうなる?

キャンセルのタイミングで仲介手数料の扱いが異なる

広告費用を含んだ仲介手数料の扱いは、売却をキャンセルするタイミングや売買契約の特約の内容によって異なります。

まず、購入希望者が見つからない段階で売却活動を中止した場合に仲介手数料を支払う必要はありません。売買契約が成立した後のタイミングでキャンセルした場合、その理由が売主や買主の事情によるもので不動産業者に落ち度がなければ仲介手数料を請求されます。難しいのは「買い換え特約」や「住宅ローン特約」など、一定の条件で売買契約を白紙解除できる特約を定めている場合です。

媒介契約時に国土交通省が定めた「標準媒介契約約款」を使用している場合は、仲介手数料は発生しないものと取り決められています。

不動産売却売却を途中で止めて広告費用を請求される場合

広告費用は仲介手数料に含まれているので、仲介手数料を支払った場合は別途請求を受けることはありません。

問題は仲介手数料が発生しないケース

購入希望者が見つからないまま売却を取りやめても、仲介手数料は発生しません。不動産業者から見ると、お金をかけて広告したものの一銭ももらえなかった、つまり赤字の状態になってしまいます。このようなケースが増えると不動産業者も仕事にならなくなってしまうので、媒介契約でキャンセル時の広告費用について取り決めるのが一般的です。

国土交通省が定めた「標準媒介契約約款」では、次のような文言が盛り込まれています。

この媒介契約の有効期間内において、甲(売主)が自ら発見した相手方と目的物件の売買若しくは交換の契約を締結したとき、又は乙(不動産業者)の責めに帰すことができない事由によってこの媒介契約が解除されたときは、乙(不動産業者)は、甲に対して、この媒介契約の履行のために要した費用の償還を請求することができます。(※一般媒介契約の場合)

不動産業者に落ち度がなく売主の事情で売却を中止する場合、不動産業者は売主に対してそれまでの広告費用などを請求することができます。

不当な不動産売却の広告費用を請求されたら?

まずは広告費用の明細を確認

広告費用の請求を受けたら、まず請求内容が正当であるかどうか明細を確認しましょう。

目安となる例を紹介すると、毎日新聞社グループの新聞折込広告は、印刷込みの価格で10,000部が35,000円程度の価格です。インターネットの物件情報サイトは不動産業者ごとに月の掲載数と月額が決まっているプランが一般的です。

Yahoo!不動産」や「HOME’S」では月額10,000円で掲載数無制限のプランもあります。

通常の広告活動を行っているなら広告費用は数万円で、多くても10万円を超えないと考えて良いでしょう。売却額を2000万円と予定したとして、仲介手数料の上限は約66万円程度です。この中から広告費用を出す予定だったのですから、常識的な金額はおのずと知れてきます。

業界団体や監督官庁に広告費用の相談を

悪質な不動産業者から不当な広告費用を請求されたときは、一人で悩まずに第三者へ相談することおすすめします。

不動産業者が加入する不動産保証協会や不動産適正取引推進機構は、不動産取引のトラブルを解決に導いたり消費者の損害を補償する役割を持った組織です。

消費者センターでは不動産取引にかかわらずさまざまな相談を電話で受け付けています。消費者保護の視点から相談に乗ってくれるので安心感があります。媒介契約の内容や法的解釈など複雑な問題に発展した場合は、法テラスを通して弁護士や司法書士に相談することが可能です。

各都道府県には不動産業者を監督する部署があるので、自治体の相談窓口も調べておきましょう。

まとめ|不動産売却の広告出稿費用トラブルに注意

広告の出稿費用は仲介手数料に含まれているので、別途に支払う必要はありません。ただし売買契約が成立しない段階で売却を中止し媒介契約を解除する場合、不動産業者は売主に対してそれまでにかかった広告費用を請求することができます。

実際に売却を取り止めたケースでは、売主に広告費用を請求しない不動産業者も多数見受けられます。売却を中止したい場合は不動産業者に対して誠実な姿勢で理由を説明し、理解を得るように注意しましょう。

一方、不当な費用請求に対しては毅然とした態度で断るのが適切です。請求が悪質でトラブルに発展しそうな場合は、早めに業界団体や監督官庁へ相談しましょう。

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