不動産の「買取再販業者」を利用するメリット・デメリット

リノベーション

住宅のリフォームは住宅改修工事としてむかしから行われていました。いまではリノベーションという住宅改修を表すもうひとつの言葉にが使われています。
そして、リノベーションが使われ始めた2000年代初頭に、不動産業界では新しい業態が誕生します。これが買取再販業です。

買取再販業者は、自社で「買取」した物件をリノベーションして「再販」します。新築着工棟数は減少の一途を歩んでいますが、買取再販業は引き続き手堅い伸びと新規参入が続いています。

リノベーションの仕方は買取再販業者によって違いますが、築浅のマンションは新築と見間違う仕上がりにもなりますし、年代の古い中古物件はオールド感のある味わい深い建物に仕上がります。そのため、買取再販の商品は、単なるリフォームとは違った付加価値がある建物になることが多く、その値頃感と相まってたくさんのユーザーを惹き付けるのでしょう。

ここでは、いま注目の買取再販業者にスポットを当てて、“業界のいま”を詳しく伝えてみたいと思います。

買取再販業者は急成長を遂げた建築・不動産業界の有望株

マンションを含む中古住宅は、売主から物件を購入したあと、買主がリフォームするのが従来一般的でした。しかし、不動産会社などの業者がリノベーションした中古住宅のほうが商品価値も高まり、中古物件なのによく売れるのです。こうしたなかで、1990年代後半から事業を大きくしてきたのが買取再販業界です。

買取再販業界は事業規模や運営形態がとにかく多彩

買取再販業界は不動産業界から誕生したところも多いのですが、業界最大手のカチタス(旧やすらぎ)は、創業当時は石材業という異業種でした。それがいまでは、業界首位の売上を誇る会社に成長しています。つまり、この業界は比較的新しく、異業種からの参入も可能なほど、事業規模や運営形態がじつに多彩でした。

事業規模や運営形態が多彩だと言う点でいうと、買取再販業界は小規模事業者でも勝てる業界

リノベーション・センスに秀でている事業者は、一定のファン層からの支持を受けます。売上規模では、とても大手と勝負になりませんが、受注だけは途切れなくあります。昭和40年代ごろの中古マンションをヴィンテージ・マンションという切り口で売った例や、カリフォルニア工務店などとタイアップしての仕事は、感度の良い小規模事業者だからやれるものです。

また、買取再販業界はマンションの比率が非常に高いのですが、業界最大手のカチタスのマンション比率は僅か5%しかありません(売上高が上位10社中9社が、マンション比率で70%から100%となっている)。このことは、いかにこの業界がマンションのリノベーションだけで食べていることの証明でもありますし、逆に言うと戸建ての市場は、ほとんど手付かずの可能性があるということです。これまでマンションのリノベ一辺倒だった業界が、戸建てにシフトすることは十分考えられそうです。

買取再販型業者の多くは建築系出身の会社

買取再販業界は不動産業界から誕生した会社も多いと書きましが、純然たる不動産会社から誕生した会社よりも、建築系出身の会社が圧倒的に多いのもこの業界の特徴です。不動産会社の方が、買取再販業者をリノベーションが本業と位置づける表現をよく見聞きします。これは暗黙に「我々がやっている仲介の分野に来ないで、本業のリノベーションだけに集中して欲しい」と言っているように聞こえます。

買取再販業者の多くは宅建業の免許は取得していますが、不動産会社は仲介と買取再販業をきっちり棲み分けするように牽制をしているのかもしれません。ですから、買取再販業者は仲介の仕事を兼業しているところはありません。また、不動産会社出身の買取再販業者も事業を分けて運営しているところが目立ちます。

買取再販業者の仕入先について

買取再販業者は中古物件のリノベーションをしてから再販をかけますが、何より仕入先が確保できていなければ、永続的な事業展開がしにくくなります。ここでは、買取再販業者の仕入先や新規開拓方法についてまとめてみます。

内覧会での集客

内覧会や見学会はリノベーションした中古物件の購入者に向けて行われるものですが、手持ち物件を売りたい・手放したい方も内覧に訪れるため、同時に仕入れ先の新規も開拓できる場面が増えています。

とくに小規模事業者のなかには、魅力的なリノベーションを施すだけにとどまらず、インテリアに合った家具の提案をしていることが多いため、集客性の高い内覧会が実施できます。そのため、内覧会だけで売りたい顧客も集められる場合があります。

買取再販業者はブローカーや物上げ業者から直接買い付け

買取再販業者は、付き合いのある不動産ブローカーや物上げ業者からの買い付けも行っています。なお、物上げ業者とは仕入れ業者のことで、マンションを早く現金化したいなど、訳あっての情報を専門に集めている人のことです。

不動産ブローカーや物上げ業者からの買い付けのなかには、複数の物件の提案を受けることもあり、なかにはマンション1棟を買い付ける情報も含まれています。

任意売却

任意売却とは、住宅ローンの返済に行き詰まったユーザーが、競売に掛けられる前に融資先の銀行に相談して進める不動産売却です。任意売却は競売と違って所有者の意思に基づく売却で、売却金額はローン残債の返済に充当されます。なお、売却を仲介するのは専門の不動産会社ですが、ほとんどの場合が銀行指定の不動産会社です。

任意売却の情報は仲介する不動産会社から来ることもありますし、不動産会社が当該物件を直接買い受ける場合もあります。2000年代から盛んになった任意売却ですが、いまでは競売に代わる仕入先に育っています。

競売

競売とは、住宅ローンの返済に行き詰った場合、債権者が裁判所の申し立てることで、担保提供された不動産を裁判所が強制的に売却する手続きを言います。売却代金は債権回収に充てられます。
なお、競売は裁判所が売主だと勘違いしてしまいますが、競売物件には所有者がいないため、注意して扱う必要があります。

競売物件は、これまで買取再販業者の重要な仕入れ先でしたが、2000年代からは任意売却に押されています。

買取再販業者の「専任返し」とはいったい何?

買取再販業者の仕入先には、もちろん不動産会社からの斡旋される物件もあります。この場合に、よく耳にするのが「専任返し」という言葉です。「専任返し」とは、どういう意味があるのでしょう?

「専任返し」とは仲介会社に買いも売りも専属専任媒介契約で応えること

買取再販における「専任返し」とは、買取再販業者が仕入れときだけではなく、売れた場合も手数料を負担することです。

不動産会社が買取再販業者にマンションや中古住宅を斡旋する場合もあります。このとき、仲介会社とは専属専任媒介契約を結び、中古物件を買い取っているという前提です。

買取再販業者は、物件買い取った後、リノベーションをして売り出すのですが、売れた場合も買ったときと同様に仲介手数料を付けるということです。この約束を業界では「専任返し」と呼んでいます。

「専任返し」は仲介会社優位の業界のマナーとも言えますが、以下の場合は「専任返し」で応える必要はありません。

  1. 価格が高すぎて、売るときに利益が乗らない
    (買ったときの価格が高すぎる場合は、はじめから「専任返し」を断る)
  2. 双方で「専任返し」ができる期間を決められない
    (リノベーションが完了してから1ヶ月間など)

(専属専任媒介契約は依頼者への拘束力がもっとも強く、売却活動全般を1社に任せてしまう契約。 「専属専任媒介契約について|他の契約方法との違いを比較しました」)

不動産を売却したい場合は買取と仲介でどちらがお得?

エンドユーザーには直接関係のない「専任返し」ですが、不動産を売却する場合、手数料が掛かる仲介と買取ではどちらが得か考えてしまうでしょう。もちろん、手数料だけを考えるのなら買取のほうが得なのはわかりますが、買い取る価格は市場売価の6掛けになることもあります(1800万の物件なら1080万ということ)。これなら、仲介手数料が掛かっても、市場で売った方が高く売れる場合も考えられます。

差し迫って売却金額が必要なら買取しかありませんが、そうでない場合は、経験値の高い不動産営業に聞いてみることをおすすめします。仲介会社でも買取をする業者もありますし、自社物件として売買もやっているところもあります。

不動産売却前にまずは売却価格の相場を知っておこう!

買取にするにしても、仲介にするにしても重要なのは売りたい物件の売却金額を事前に知っておくということ。まずは無料の一括査定で物件の価値を知っておきましょう。

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「適合リノベーション住宅」とは何?

「適合リノベーション住宅」という言葉は聞いたことがあるでしょうか。

買取再販業者と一口に言っても、その業者は工務店や設計事務所から、不動産会社と幅広く、リノベーションする建物も区分所有マンションから戸建て住宅とさまざまです。このため、保証体制も事業者任せにせざるを得ないのが実情でした。
そこで、2009年7月に「一般社団法人リノベーション住宅推進協議会」が発足し、リノベーションの品質基準づくりを進めたのが「適合リノベーション住宅」のはじまりです。

大手も賛同する「適合リノベーション住宅」

「適合リノベーション住宅」は、新築住宅では住宅保証機構の「住宅瑕疵担保責任保険 まもりすまい保険(住宅性能保証制度)」に似ていますが、「適合リノベーション住宅」のほうがより新しく、現実的に使える制度にブラッシュアップされています。

いまでは、買取再販業者のほとんどが「一般社団法人リノベーション推進協議会」に加盟しており、リノベーションした物件は必然的に「適合リノベーション住宅」に指定されています。

大手の場合は、会社独自の基準を設けているところもありますが、「リノベーション推進協議会」にはインテリックスイーグランドカチタス大京穴吹不動産なども顔を並べています。この安心感も「適合リノベーション住宅」という制度の魅力です。

5種類の品質基準といつでもアクセス可能な「住宅履歴情報」

「適合リノベーション住宅」は「検査→工事 →報告→保証+履歴」といった統一規格を定め、対象とする物件によってR1住宅からR5住宅に該当する統一基準を設けています。

R1住宅とR5住宅が買取再販業の主要な物件
R1住宅 区分所有マンション専有部分
R2住宅 R1住宅に共有部の修繕・管理状況をプラスしたもの
R3住宅 共有部分を含むマンション一棟全体
R4住宅 オフィスを住宅などに用途変更をした建物
R5住宅 戸建て住宅

この統一基準に基づき必要な検査を行い改修工事を実施しますが、その記録を「住宅履歴情報」として、リノベーション推進協議会のサーバーに保管されています。だから、協議会のホームページからいつでもログインし閲覧できるのです。

「住宅履歴情報」は、点検やメンテナンスや、将来売却するときにも役に立ちます。また、万が一の不具合に対してもアフターサービス保証がついています。加入する企業数も多い「適合リノベーション住宅」は安心を呼ぶ制度となっています。

買取再販業者のメリット・デメリット

最後に買取再販業者を使うメリット・デメリットについてまとめておきます。

買取再販業は、物件を買う側にとってはメリットは多いのですが、売る側にしてみれば、安く買い叩かれるなどと言われます。ただし、買取の場合、リスクや経費を考えたら、安くなることは仕方ないことです。買取価格が安くなることはデメリットにもあげていますが、誤った設定で安くなった訳ではないことはご理解下さい。

メリット

1.仲介手数料がかからない

買取再販業者を使う最大のメリットは仲介手数料がかからないことです。

例えば仲介の場合、物件価格が1300万円の手数料として45万円に消費税がプラスされた額を支払わなければいけません。買取再販はこの50万弱のお金を負担しないでも良いのですから、その分を値引きしたようなものです。お客として利用するなら買取再販をおすすめします。

2.後から問題があった場合に責任の所在が確かなところ

買取再販物件は業者が売主です。売主が一般人ではないことも、品質的にみても優位性があります。

また、買取再販業者は「リノベーション推進協議会」に加盟していますから、物件は統一基準で施工された「適合リノベーション住宅」となります。図面や仕様書も協議会のサーバーに保管されていますから、いつでも閲覧が可能です。

仲介は、売主が業者ではなく一般人となりますので、責任の所在が曖昧になります。中古物件ですから保証もつかない場合が多いようです。どちらが安心かは明らかではないでしょうか。

3.瑕疵担保責任が付く

売主が不動産業者の場合は、瑕疵担保期間を最低でも2年間はつくことになります。万が一、買取再販業者が「リノベーション推進協議会」に未加入だった場合も、瑕疵担保責任が付くことは安心材料になるでしょう。

4.しっかりとした管理業務を受けやすい

先日、あるテレビ番組でジャーナリストの荻原博子さんが住宅やマンションについて語っていましたが、これらを長持ちさせる秘訣として、管理業務の大切さについて語っていたのがとても印象的でした。

買取再販業者は管理業務がしっかりしているところが多く、契約した顧客の建物を大事に管理します。もちろん、すべての業者に当てはまる訳ではありませんが、このことをメリットの最後に書き加えたいと思います。

デメリット

1.買取額は低くなる

仕入れをおこす場合、どうしても価格は安くならざるを得ない現実があります。高いところで、市場相場の70%から80%。安くなると5掛けとなる場合もあります。そんなところから、だいたいの相場は60%というところがひとつの目安と考えられるでしょう。

2.営業マンによる差が大きい

この業界は、残念ながら短命な営業マンも多く、力のある営業マンとまだまだ修業中と考えなければならない営業マンの差が確実に存在します。

特に中古マンションや中古住宅は、実際に住まなければ本当に良い買い物だったかは判断がつきません。本人が住む家ならまだ良いですが、不動産投資が目的の場合は一層大変なのはわかるでしょう。ただ、それを的確に判断して客付けできる営業マンはごく僅かしかいないのが現実です。

一定の知識があるお客様を相手に営業する場合は、強引さやはったりは何の肥やしにもなりません。それだったら、お客様からの質問に即答できるよう、しっかり勉強することです。

3.価格は意外に相場のままが多い

買取再販業者の物件は、格安と言われるものが少ないです。これをデメリットだとも言えるのですが、要はきちんとリノベーションされた物件は、安物として出てきようがないのだとも言えます。

きちんと保証が付けられる物件に掘り出し価格など付けないということです。資産として持つのなら、買取再販業者の物件は安心なのもが多いと言えるでしょう。

不動産の「買取再販業者」についてのまとめ

買取再販は、まだ伸びる可能性を秘めている成長分野です。
そのなかでも、「リノベーション推進協議会」は業界の品質や保証に関する取り決めを行っており、「適合リノベーション住宅」の存在はかなり大きな役割を果たしていると言えるでしょう。

新築が伸び悩むなか、買取再販業者は確実に売上を更新しています。今後も目が離せない存在と言えそうです。

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