中古マンション引き渡しの流れ|よくあるトラブルや平均期間、引き渡し後にやることも紹介

マンション引き渡し契約

マンションの売却は普段あまり経験をすることがないだけでなく、取引金額が高額になることから売却の際には不安に感じてしまう方が多いです。特に初めてマンションの売却を行う方にとっては、全体の流れが分かりにくいため余計に不安を感じてしまいがちです。

このような場合には、全体の流れを知っておくだけで不安を大きく取り除くことが出来ます。不安のない平常な気持ちでマンション売却に取り組むことで、買主との価格交渉も余裕を持って臨むことが出来るので少しでも高く売れる可能性が高まります。

このようにマンション売却の全体の流れや、良くあるトラブルなどを事前に押さえておくことがマンション売却の際には重要です。今回の記事では中古マンション売却の流や良くあるトラブルについて、詳しく解説をしていきます。

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これからマンションの売却を予定している方は、ぜひ今回の記事を参考にして下さい。

中古マンション売却の流れ

まずは早速、中古マンションを売却する際の流れから見ていきましょう。マンションに限らず不動産を売却する際には様々なプロセスがあり、それなりに時間もかかります。全てのケースで同じ流れになるとは限りませんが、マンションの売却の一般的な流れは下記のようになります。

①売却へ向けて準備をする

マンションを売却することが決まったら、まずは動き始める前に事前の準備を行いましょう。マンション売却の際に行っておくと良い事前準備には、下記のような項目があります。

  • 必要書類を準備しておく
  • 諸費用を調べる
  • 売却理由と売却価格の整理をしておく

これらの準備を事前にしっかりと行っておくことが、マンション売却の成功へとつながります。事前の準備をするかしないかでは、売却が終わった後の満足度が大きく違います。それくらい重要なのが、ここで紹介をしている事前準備です。具体的にはどのような事をすべきか、一つずつ見ていきましょう。

必要書類を準備しておく

マンションの売却の前には、まずは必要な書類が揃っているかを確認しておきましょう。マンションの売却の際には様々な書類が必要になりますので、手元に無いものがあれば再発行をするなどしておくことで売却もスムーズにすることが出来ます。マンションの売却に必要な書類には、下記のようなものがあります。

書類名 目的
権利証(登記識別情報通知) 不動産の所有者であることを証明できる重要な書類です。売却に伴ってマンションの所有権を変更する際には、権利証が必要になります。
部屋の間取り図 正確な間取り図を把握する際に必要です。合わせて購入時の物件概要やパンフレットもあれば揃えておきましょう。
固定資産税納税通知書 固定資産税の正確な金額が分かります。マンションの売買の際には、売主と買主で固定資産税を日割りで清算するため正確な金額を知っておく必要があります。
管理組合の利用規約 ペットの可否や駐車場の使用ルールなど、マンションの使用ルールを定めたものです。マンションの管理組合が原本を保管しています。
維持や修繕に関する書類 修繕積立の計画や、修繕の実施状況などを記録・管理している書類がある場合は準備しておきましょう。
耐震診断報告書 物件によっては耐震診断を実施している物件もあります。その場合は報告書も揃えておきましょう。
購入時の売買契約書・重要事項説明書 マンションを購入した際の契約書です。購入価格を証明するための資料になりますし、確定申告の際にも必要です。
登記簿謄本 マンションの構造や広さの概要のほか、所有者や抵当権の有無などの権利関係が記されています。
返済予定表・残高証明書 売却するマンションに住宅ローンが残っている場合には、売却と同時に返済が必要になるので残高を確認しておきましょう。
印鑑証明・住民票 登記を変更したり、売買契約の際に必要なりますが、有効期限は3ヶ月ですからあまり早く取り過ぎると取り直しが必要になる場合もあります。

諸費用を調べる

マンションを売却する際には、売却に伴う様々な諸費用が必要になります。売却価格を決定する際には、この諸費用の金額も計算に入れて置く必要があるので、事前に費用相場を確認しておくと良いでしょう。一般的に諸費用は売却価格の5~7%程度と言われており、下記のような種類の諸費用が必要になります。

費用の種類 費用の相場
仲介手数料 (売却価格×3%+6万円)+消費税
印紙代 下記参照
抵当権の抹消登記 2~3万円程度
ハウスクリーニング費用 下記参照

印紙代は売買契約の金額によって違いますが、不動産の売買契約に関しては現在は軽減税率が適用されており下記のようになっています。

参照:国税庁「印紙税」

ハウスクリーニングは部屋の汚れがひどい場合に行います。費用は実施箇所によって下記のような相場になります。

実施する場所 クリーニング相場
キッチン回り 15,000円~
換気扇 15,000円~
お風呂 15,000円~
トイレ 10,000~15,000円~
洗面台 10,000円程度
エアコン 15,000~20,000円
8,000~15,000円(6畳)

ハウスクリーニングの費用は、売却価格に上乗せ出来る訳ではありません。また後で説明をする税金の計算の際でで、ハウスクリーニングは諸費用に入れることも出来ません。売却に伴うハウスクリーニングはあくまで買主の印象を良くするための必要最低限にとどめておくようにしましょう。

売却理由と売却価格の整理をしておく

続いての準備は、売却するにあたっての優先事項を決めておくことです。今回の売却理由を自分の中で改めて整理して、何を優先するかを決めておきましょう。引っ越しや相続税の納税などの事情があって早く売却することを優先するのか、時間がかかっても納得の行く価格で売却をするのか、などです。

合わせて、最低限の売却価格ラインも決めておくようにしましょう。マンションの売却では買主から値下げ交渉をされることも多いので、あらかじめこれぐらいまでは値下げをしても良いということを決めておきましょう。価格を決める際には先ほど説明した諸費用や、後ほど説明する税金なども考慮して決めるようにすると良いでしょう。

実際に売却活動が始まってしまうと、とにかく売ることを優先してしまって当初の目的を忘れてしまう場合もあります。マンション売却に不慣れな方ほど、このように事前にしっかりと優先事項や売却希望価格を決めておくことが重要です。

②相場を調べる

事前準備が終わったら、次は相場を調べましょう。マンションに限らず、不動産の相場は常に動いています。そのため同じ物件であっても、売却するタイミングによって価格が違うのは当たり前の事です。マンションを売却する際にはこのように相場を知っておく事がとても重要になります。

マンションの相場を調べる際には、

  1. 全体の不動産相場を調べる
  2. 近隣の取引事例を調べる

というこの二つの切り口について調べることがポイントです。それぞれの内容や調べ方について紹介していきます。

全体の不動産相場を調べる

不動産の価格は、景気の動向やその時期の経済情勢によって変動します。景気が上向いている時期であれば銀行の融資も受けやすく、給料も上がりますから自宅を買う人が増えて不動産価格は上昇します。逆に景気が悪くなっている時期は給料も下がり、銀行の融資も受けにくくなるので自宅を買う人は少なく、不動産価格も下がります。

このように不動産価格は景気によって左右され、景気を表す株価の動きとも連動している動きをしています。下記の表は国土交通省の発表している不動産価格指数のマンションの指数と、株価を表す日経平均株価を重ねた表です。

参照:国土交通省「不動産価格指数」を参考に当方作成

上記のように株価とマンション価格の推移には、関連があることが分かります。マンションの価格は株価ほど大きく動く訳ではないですが、株価が上昇すればマンション価格も上昇しており、株価が下がればマンション価格も下落していることが分かります。

このようにマンション価格を調べる際には、足元の景気動向や株価の推移を調べることで足元のマンション相場や今後の価格動向を知ることが出来ます。

近隣の取引事例を調べる

マンションの相場は先ほど説明した景気などの経済情勢の他に、個別の要因によっても価格が変動します。例えば、今は最寄り駅まで徒歩20分ほどかかる立地のマンションの近くに新しい駅が出来たとすれば、マンションの価格は大きく上昇するでしょう。このように地域毎の個別要因によっても価格は変わるので、マンション相場を調べる際には近隣の取引事例を合わせて確認することをおすすめします。

近隣の取引事例の価格は、実際に取引された価格ですからマンションの相場を調べるには適しています。「近くに駅が出来る」などの地域毎の要因も当然織り込んでいる価格と言えますから、実際の価格交渉の際にも取引事例の価格は参考にされています。マンションの場合は同じ物件のマンションの事例などが有れば、必ず確認しておきましょう。

取引事例を調べる際には、下記のサイトなどを参考にすると良いでしょう。

取引事例を確認する際には、出来るだけ近くの取引事例を探して確認すると良いでしょう。更に、探した近隣事例と比較して、優れている個別要因と劣っている個別要因について出来るだけ調べておきましょう。優れている点があれば取引事例よりも高い価格で売却が期待出来ますし、劣っている点があれば事例より低くなってしまうかもしれません。

細かい価格の設定は不動産会社が行いますが、近隣事例の価格とその物件と比べて売却するマンションの良い点と悪い点を見つけておくことで、その物件のおおよその価格が分かるでしょう。価格に影響を及ぼす個別要因には様々なものがありますが、一般的な項目について紹介をしておきます。

  • 最寄り駅からの距離などの立地
  • 周辺の住環境
  • スーパーやコンビニなどの利便性
  • 小学校や中学校の学区
  • 部屋の階数や、向き、日当たり
  • ベランダや窓からの眺望
  • 築年数、間取りや広さ
  • 室内の利用状況
  • 共用部分の管理状況
  • 大規模修繕の実施状況、積立金の有無、建物の劣化状況
  • 管理組合の運営状況
  • マンションのブランド、施工会社

③査定を依頼する

次は、不動産会社の無料査定を行います。査定は不動産会社がプロの目で見たおおよその売却価格を無料で査定してくれるサービスで、マンション売却の際には複数の不動産会社から査定を取っておくようにしましょう。複数の不動産会社から査定を取ることは、下記のような目的が狙いです。

  • より正確な相場価格が分かる
  • マンション売却に強い不動産会社を見つける

自分で相場を調べることも重要ですが、不動産会社の査定を見ることでより正確にマンションの相場が分かります。査定の金額は不動産会社によっても差がありますので、複数社の査定額を比較することで正しい相場の価格が分かるでしょう。

また複数の不動産会社査定額を比較することで、マンションに強い不動産会社を見つけることが出来ます。相場よりも明らかに高い価格の査定を出している会社があれば、その根拠について尋ねてみると良いでしょう。査定額についての説明に根拠がない場合などは、あまりマンションに強くない場合もあります。売却の依頼を受けたいために、敢えて査定額を高めに出して来る不動産会社も中にはあります。

このように複数の不動産会社の査定額や、担当者の対応を比較することでマンションに強く信頼の出来る担当者のいる不動産会社を見つけることが出来るでしょう。複数の不動産会社から査定を取る際には、下記のサイトを利用するのがおすすめです。

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こちらのサイトを使えば一度の依頼で、複数の不動産会社へと査定依頼が行えます。提携している不動産会社も多く、大手から地域密着の不動産会社まで依頼をすることが可能ですので、不動産会社探しには最適なサイトと言えます。

④媒介契約をする

複数の不動産会社の査定を比較して、信頼出来る不動産会社を見つけたら媒介契約を結びます。不動産会社と媒介契約を結ぶことで、正式に売却を依頼することになります。媒介契約を結ぶだけでは特に費用が発生する訳ではないですが、契約の内容によっては他の不動産会社には売却を依頼出来なくなりますので、どこの不動産会社とどのような契約を結ぶかは慎重に選ぶ必要があります。

媒介契約には一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類ありそれぞれの契約内容には、下記のような特徴があります。

他の不動産会社と契約 自ら買主見つけて良いか レインズへの登録義務 売却活動の報告
一般媒介 特になし 任意
専任媒介 × 7営業日以内 2週間に1回以上
専属専任媒介 × × 5営業日以内 週に1回以上

専任媒介や専属専任媒介契約は他の不動産会社とは契約が出来ません。不動産会社にとっては自社でのみその物件を取り扱える物件ということになりますから、自然と力が入ります。そのため売却活動にも力が入り成約もしやすくなる反面、他の不動産会社との競争の原理は働きません。

一度媒介契約を結んでしまうと3ヶ月は契約が続きます。あまり動きの良くないような不動産会社と専任媒介契約を結んでしまうと、3ヶ月間無駄にしてしまうことにもなりかねないので、媒介契約を結ぶ際には慎重に判断をするようにしましょう。

⑤売却活動をする

不動産会社と媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動が始まります。マンションの売却活動を行うのは不動産会社なので、売主としてはまずは進捗状況の報告を待つことになります。しかしこの間に不動産会社がどのような活動を行っているかは、売主としては気になるところです。不動産会社が行う売却活動には様々ありますが、具体的には下記のようなことを行います。

  • レインズという国土交通省が認可した不動産流通ネットワークシステムへの登録
  • 自社ホームページへの記載
  • 不動産専門の情報誌やwebサイトへの記載
  • 自社で抱えている顧客への紹介
  • 売却物件の近隣への広告やポスティング
  • 自社でのネットワークを活かした情報提供

上記のような活動を通じて、買主候補を探していきます。中でもポイントは自社で抱えている顧客や、自社ネットワークを通じた買主探しです。マンションに強い不動産会社ほど、マンションを買いたい顧客情報を抱えていますから自社のネットワークを通じて買主候補を見つけやすいと言えます。

不動産会社によってはホームページなどの広告活動を行う前に買主を見つけてくる先もあるほどですから、マンション売却の際にはマンションに強い不動産会社を探すことが重要と言えます。

買主候補が見つかったら、次は内覧を行うのが一般的な流れです。内覧の際の印象で買主は購入を決定することも多くあるため、内覧の際のイメージを良くすることは重要です。そのため売主としては、買主が売却活動を行っている間に内覧に供えて準備をしておくようにしましょう。

内覧の際に心がけることは、室内をとにかく「広く明るく見せる」ことです。この点に注意して内覧の前には準備を行っておくことが有効ですが、具体的には下記のように準備を行っておくと良いでしょう。

  • 第一印象を決める玄関はできるだけ物を置かないようにすることで、広く見せることが出来ます。また靴の臭いなどが気になる場合は換気をして、消臭剤なども使っておくと良いでしょう。
  • リビングも玄関と同様に物を出来るだけ置かないことが原則です。窓や室内の仕切り扉などは全て空け、照明も全て付けることで明るく見せる効果があります。
  • お風呂やトイレの水回りは掃除を徹底しておきましょう。いくら室内が綺麗でも水回りが汚れていては、買主の気分も後退してしまいます。汚れがひどい場合にはハウスクリーニングなどを活用すると良いでしょう。
  • 収納スペースも買主としては気になる点です。あまり見せたくはない部分ですが、出来るだけ整理整頓をしておいて見せるようにしましょう。スッキリした収納スペースはより部屋を広く見せる効果があります。

このような事前準備を行って、内覧の際には第一印象を良くすることが重要です。また内覧の際の案内も不動産会社の担当に全てまかせるのではなく、出来るだけ立ち合いをして住んでいる売主だからこそ知っているアピールポイントを伝えるようにしましょう。

内覧を経て、買主から値下げ交渉が入ったら成約に大きく近いているといえます。値下げ交渉をしてくる買主は、購入意思は高いというのが前提にあるからです。その物件は気に入っているものの、購入の意思決定まではあと一押しの理由が欲しい時に、値下げ交渉をしてくると言っても良いでしょう。

売主としては、値下げ交渉が来た場合でも安易に応じるべきではないのが原則です。ここで思い出してほしいのが売却前に整理した売却理由と、売却価格です。値下げの金額が納得出来る価格であれば、応じて成約するのも良いです。また値下げには応じない場合でも、売主負担で設備の入れ替えを行うなどの譲歩を行うことも重要です。

マンション売却の際には、このように値下げ交渉が入ることが当たり前なので、値下げを見越してあらかじめ少し高めに売却価格を設定しておくのも戦略の一つです。

⑥売買契約をする

価格交渉が売主と買主で合意が出来たら、売買契約を締結します。売買契約の際には、買主に対して重要事項説明と言って、物件の瑕疵がある部分や買主に対して説明をしておかなければならない事を、書面と口頭で説明をします。この際に使う書面を、重要事項説明書と言います。

売買契約書や重要事項説明書の作成、買い主に対する説明は不動産会社が行います。しかし売主としても、後々のトラブルを防ぐためにもきちんと説明事項が記載をされているかは確認しておきましょう。

また不動産の売却契約には様々な特約が付きます。特約とは特別な条件を伴った契約のことで、売主や買主のそれぞれの事情に応じて様々な特約が付きます。売主にとって不利な特約がないか、契約をする前に必ず確認をしておくようにしましょう。

ローン特約とは?

特約には様々なケースがありますが、最もポピュラーなのがローン特約と呼ばれるものです。ローン特約とは売買契約を結んだ後、買主が思うようにローンが受けられなかった場合は契約を白紙撤回するという内容の特約です。もしローン特約がなければ、例えローンに通らなかった場合でも契約は有効ですから、契約を解除する場合には違約金として手付金相当の金額を支払う必要があります。

このようにローン特約は買主側に有利な内容とも言えますが、不動産を買う際には殆どの方が借入を利用することからとてもポピュラーな特約です。売主からすれば、出来ればローン特約が無い契約の方が好ましいです。何人も買主候補がいるような場合は、ローン特約無しの買主を優先する方が良いでしょう。

⑦物件の引き渡しを行う

売却契約が終わっても、まだ売却は終わりではありません。売買契約をした後、1〜2ヶ月後位に物件の引き渡しを行います。この間に買主は資金の準備をしたり、売主は必要な修繕を行ったりと引き渡しに向けた準備を行います。引き渡しの日は物件の引き渡しと代金の清算も同時に行うので、決済(けっさい)と呼ぶことが一般的です。

決済当日は銀行や不動産会社の応接室に売主と買主、不動産会社や司法書士が集まって行う方法が一般的です。権利証などの所有権移転登記に必要な書類を司法書士がチェックをして、問題がなければ買主から売主へと売却代金の振込を行います。売主の方で振込の入金が確認出来たら、鍵などの引き渡しを行って決済終了となります。

またこの際に不動産会社への仲介手数料や、司法書士への支払いなども同時に行うことが一般的です。不動産の売買は高額な取引になるため、決済の都度このように集まって行うケースが一般的となっています。

中古マンション引き渡しでよくあるトラブル

中古マンション 引き渡し トラブル

マンションの売却は時間をかけて行われトラブルの無いように説明などもしっかりと行いますが、それでもトラブルは発生します。不動産に関するトラブルは様々なタイミングで起こりますが、その中でも今回は引き渡しに関するトラブル事例を紹介していきます。ここで紹介しているトラブルは起こりやすい事例の一部ですが、よくある事例なのでマンション売却の際にぜひ注意をしてください。

鍵が無くなってしまっている

引き渡し時のトラブルとして良くあるのが、マンションの鍵が無くなっているケースです。物件の引き渡しは、鍵を渡すことで完了しますから鍵を無くしてしまっていると引き渡しは出来ず、売主としては契約違反となってしまう可能性もあります。そのため引き渡しの前にあらかじめ鍵が有るかは、しっかりと確認しておきましょう。

ここで注意しておきたいのが鍵の本数です。元々は鍵が5本あるはずなのに1本だけ紛失しているようなケースの場合は、残りの4本を渡しても引き渡しをしたことにはなりません。スペアキーを作成して5本にして渡したとしても、同様に引き渡しをしたことにはなりません。

鍵は完全な形で引き渡すことが条件とされていますから、このような場合は事前に売主の負担で鍵を交換しておく必要があります。買主からすると、家の鍵を無くした状態で購入するのは気分的にも良くないでしょう。通常は仲介する不動産会社が確認をしてくれますが、間違いのないよう自分でも確認しておきましょう。

引き渡し日が遅れる

続いては、予定していた引き渡し日になんらかの事情があって引き渡しが出来ず、引き渡し日が遅れるケースです。例えば買主のローンが予定通り実行出来ず、引き渡し日が延期になったとします。もし売却するマンションにもローンがあったとすると、売主としては引き渡しが送れた分だけ利息を多く払わなければならなくなります。

売主が原因で引き渡し日が遅れた場合も同様で、買主は引っ越し業者の手配や元々住んでいた賃貸物件を解約している可能性もあります。引き渡しが遅れてしまうと引っ越し業者のキャンセルなどの経済的損失が発生してしまうことになり、その分を補填しなければなりません。あまりにも遅れが長くなってしまうと、債務不履行で契約が解除となってしまう可能性もあります。

売主としてはこのようなトラブルを防ぐために、引き渡し日までに必要な修繕や引っ越しなどを終わらせておき予定通りに引き渡しをすることがポイントです。

登記書類に不備がある

引き渡しとは代金の精算を行うのと同時に、物件の所有権を売主から買主へと移転させる必要があります。物件の所有車は登記簿に記録されているため、所有権移転をするには必要書類を揃えて法務局へと提出する必要があります。不正や偽造を防ぐため登記に必要な書類は法務局でも細かくチェックされますが、書類に不備があった場合には登記が出来ず引き渡しが完了しない可能性もあります。

具体的には所有権移転の際には、下記のような書類が必要になります。

  • 権利証(識別情報通知)
  • 司法書士への委任状
  • 印鑑証明と実印
  • 固定資産評価証明
  • 住民票
  • 売買契約書

上記以外にも、ローンの借入がある場合には抵当権の設定関係の書類も必要になるなどたくさんの書類が必要です。これらの書類に不備があったり、実印が違っていたりすると登記が出来ず引き渡しを完了することが出来ません。引き渡しが完了出来ないとなると引き渡し日を延長せざるを得ないので、先ほどの引き渡し日が遅れた際のように契約解除などに発展してしまう可能性もあります。

付帯設備表には記載のない瑕疵がある

中古マンションの売買の際には、契約書などに付帯設備表が付属している場合が多いです。付帯設備表とは、マンションに設置してある設備の有無やその設備の故障の有無を細かく記載してある書類です。マンションを売買するということは、マンションに付属している設備も同時に売買することになります。

マンションに付属している設備は多岐に亘り、中には年数の経過と共に故障や劣化する物もあります。一方で買主は、設備については正常に稼働することを前提としている場合が多いです。そのため設備の有無や故障に関するトラブルは多くあり、無用なトラブルを防ぐために作成されるのが付帯設備表です。

付帯設備表には、次のような内容が記載されています。

【主要設備】
  • 給湯関係(給湯器)
  • 水回り関係(トイレ・お風呂・洗面等)
  • 空調関係(冷房・暖房・換気扇等)
【その他の設備】
  • 照明関係(電気等)
  • 収納関係(下駄箱・食器棚・押し入れ等)
  • 建具関係(網戸・雨戸・障子等)
  • その他(カーテンレール・火災報知器・物干し等)

この付帯設備表が逆にトラブルの元になってしまうケースがあります。引き渡しの際に設備をチェックして、付帯設備表に記載してある内容と、実際の設備が違っていたり故障があったりしてトラブルとなってしまうケースです。このようなトラブルを防ぐためには、正確に付帯設備表を作成することが重要です。

付帯設備表を作成するのは、不動産会社ではなく売主にあります。不動産会社には作成義務がないので、売主が良く分からないまま作成をしてトラブルになってしまうケースは少なくありません。売主は不動産に関しては素人ですから、付帯設備表の作成までしっかりとサポートをしてくれるような不動産会社を選ぶことが重要と言えます。

買主のローンが通っていない

マンションは高額な取引になりますから、買主の多くはローンを利用します。そのためローンが思ったように受けられず、トラブルに発展するケースは少なくありません。先ほどローン特約について説明しましたが、ローン特約を付けたからと言って必ずしも安心できる訳ではありません。

住宅ローンの審査には、下記のように事前審査と正式審査があるのが一般的です。事前審査が通過したからと言って、必ず正式審査が通る訳ではありません。ローン特約を付けていても事前審査の承認に留めている場合、いざ正式審査をかけたら審査が通らなかったというケースもあります。

こうなるとローン特約による解除も出来ないので、買主としては代金を払うしかない訳ですがマンションのような高額物件を払うほどの現金を持っている買主は殆どいません。結果として購入代金が払えず、予定通りに引き渡しが出来ず、売却代金を受け取ることも出来なくなってしまいます。

このように買主の与信力は、売主にとってもとても重要な項目と言えます。売却相手を選べるような状況にある場合には、出来るだけ現金買いやローンが問題なく通りそうな相手を選ぶことでこのようなトラブルを避けることが出来ます。

引き渡し後:隣人、騒音トラブル

マンション売却に伴うトラブルは、引き渡しが終わった後に起こるケースもあります。引き渡し後に起きやすいトラブルの具体例としては、隣人トラブルや騒音トラブルがあります。それぞれの具体例を見てみましょう。

隣人トラブルの事例

中古でマンションを購入したご家族には、小さなお子様がいました。内覧の際には「ウチは小さな子供がいるが、近隣の人は気にしないだろうか」との質問をして、問題ないとの回答だったので購入を決めました。しかし、そのマンションの隣人は子供の泣き声が嫌いで、子供が無く度に嫌がらせをしてきます。

その隣人は近隣でも有名な子供嫌いで、色々なご家庭へと嫌がらせをしている迷惑な方でした。その後買主から売主に対して、「こんな隣人がいるなんて聞いていない!」とトラブルとなった事例です。

このような場合に論点となるのが、売主としての説明義務です。基本的には売主には隣人の情報までは説明する義務はないとされています。隣人がどのような方なのかは個人情報の観点からも、説明が難しいという事もあります。しかしあまりにひどい場合や、買主の購入の意思決定に大きく影響を与えるような事は説明をしなければならないとされています。

上記の例では購入者が小さな子供のいることを気にしており、その質問に対して事実とは違う回答をしていることになります。もしここで近隣の情報を正確に伝えていれば、購入には至らなかった可能性があります。このような場合には売主の説明に問題があったということになり、契約の解除や損害賠償にもなりかねません。売主としては近隣の方の情報をどこまで伝えるかは悩みますが、少なくとも質問に対しては真摯に答えるようにしましょう。

騒音トラブルの事例

騒音に関するトラブルも、引き渡し後のトラブルとしては多いケースです。引き渡しが終わって引っ越しをした買主から、「こんな騒音があるなんて聞いていない!」とトラブルになるケースです。隣人のトラブルと同様に、ここでも売主の告知義務が論点になります。まずは事例を一つ紹介します。

飛行場の近くに立地をしているマンションを購入した買主から、「飛行機の飛ぶ音がこんなにうるさいとは聞いていない!」と引き渡し後にトラブルになった事例です。このケースでは内覧や売買の交渉の過程では、飛行機の騒音に関する話題はいっさい出ませんでした。買主からの質問もなく、売主からも特段説明はしていないという状況です。

このトラブルは訴訟まで発展しましたが、結果は売主に説明義務はないとの判断です。飛行場の近くにあるのは周知の事実で、飛行機が飛ぶ音がするのは当たり前のことであり、売主の告知義務違反にが当たらないというのが理由です。このケースのように当たり前のように騒音が想定されるケースでは売主の責任は問われませんが、実際に住んでみないと分からないような騒音はしっかりと説明をする義務があります。

近所にライブハウスがあって終末は音が響く場合や、近隣の住民が夜になると騒ぎだすなどの住んでみないと分からない騒音がある場合は、売主に説明する義務があるとなる場合もあります。もし迷うような場合には、隠すことなく不動産会社に相談するようにしましょう。

中古マンション引き渡しにかかる平均期間


これまで中古マンションの引き渡しに関することを説明してきましたが、そもそも中古マンションの引き渡しにはどれくらいの期間がかかるでしょうか。中古マンション売却の流れは先ほど説明した通り、売却を決めてから引き渡しまではたくさんのプロセスがあります。

そのため売却にかかる一般的な期間は早くても3ヶ月程度、通常は6ヵ月ほどかかるのが平均的な期間と言えます。マンション売却の流とそれぞれのプロセスに必要な期間は概ね下記のようになります。

上記の通り売却活動にかかる時間が引き渡しまでの期間の大半を占めており、ここの期間が短いか長いかが重要なポイントと言えます。そのため売却期間を短くするためには、売却の仕方がいかに重要になるかが分かります。売却活動が上手くいくかどうかは不動産会社の営業によるところも大きい為、マンション売却の際には不動産会社がとても重要になると言えます。

半年は長い?

マンションの売却期間は3~6ヵ月が一般的と説明をしましたが、6ヵ月を超えるとマンションの売却期間としては長いと言えるでしょうか。そもそも、売却までの期間が長いのは良くないことなのでしょうか。疑問に思う方も多いでしょう。

マンションに限らず、不動産を売却する際に引き渡しまでの期間が長いことはあまり良い印象ではありません。売却期間が長いと、どうしても売れ残っている物件というイメージが付いてしまうからです。実際に売り出しを初めてから成約までの期間と、売出価格と成約価格の下落率は下記のように比例をしています。

参照:不動産ジャパン「売り出しから成約まで期間と乖離率」

上記の表の横軸は売却期間を表していますから、引き渡しまでの期間とは違うことは認識しておきましょう。上記の表で1ヵ月であれば売却期間が1ヵ月ということですから、引き渡しまでの期間は3ヶ月程度ということになります。上記の表から分かる通り売却期間が3ヶ月を超えると(引き渡しまでの期間が6ヶ月を超えると)、当初の売り出し価格よりも1割以上も下がっていることになります。

マンションの購入を検討している方はエリアを絞って探し続けていることが多いこともあり、3ヶ月以上も売却物件として出していると買主からすれば何度も目にすることになり、どうしても「売れ残っている」という印象が付いてしまいます。売主からしても3ヶ月をたっても売れなければ、価格を下げてでも売却したいという気持ちも働くことからどうしても成約価格が下がってしまいます。

このように売却期間が3ヶ月(引き渡しまでは6ヶ月)を超えてくると価格も下がってしまうこともあり、6ヶ月以内に売却することを目標とする売主が多いです。売却期間が6ヶ月を超えると長いと言われるのは、このような事情に基づいて言われています。実際に6ヶ月を経過すると成約価格も大きく下落する傾向にあるため、売却の際には6ヶ月を一つの目安として価格を設定するのも良いでしょう。

中古マンション引き渡し後に売り主がやること


長い期間をかけて引き渡しが終わると、ようやく売却が完了したことになります。しかし一息つくにはまだ早く、引き渡しが終わった後もまだまだだやるべきことは残っています。ここではマンションの引き渡し後に売主がやるべきことを紹介していきます。

売却活動にかける時間が長いほど、引き渡しが終わった後の達成感は大きいものがあります。張りつめいていた気持ちが一気に緩んでしまいがちですので、ついつい引き渡し以降のことをおろそかにしてしまいがちです。引き渡しと同時に売却代金を受け取っていることも、気が緩んでしまう要因です。

しかし気が緩んでばかりいるとこれから紹介する引き渡し後にやることに対応出来なくなってしまいますから、下記の項目をしっかりと認識しておくようにしましょう。

確定申告を行う

中古マンションを売却すると、確定申告が必要になる場合があります。確定申告という言葉自体は聞いたことがあっても、実際に手続きを行ったことのない方も多いでしょう。確定申告とは名前の通り、個人に発生した1年間の所得を確定して、税務署へと申告する手続きを言います。

確定申告を行う時期は決まっており、毎年の2月16日~3月15日(土日や祝日の関係ですれる事もある)と決められています。この期間に前年の1月1日~12月31日に発生した所得を申告することになります。つまり不動産を売却した場合には、売却をした翌年の2月16日~3月15日に確定申告を行う必要があります。

利益が出た時に確定申告が必要

マンションを売却したら、確定申告が必ず必要な訳ではありません。確定申告は先ほども説明したように所得を申告するための手続きですから、所得(=利益)が出なければ確定申告は行わなくても問題ありません。マンションの売却に伴って利益が出るかどうかは、買った価格よりも高く売れたかどうかという事になりますが、計算方法はそんなに簡単ではありません。

マンションなどの不動産を売却した際の利益のことを譲渡(=売却)所得と言いますが、譲渡所得は下記の計算式算出します。

【譲渡所得の計算方法】

譲渡所得=マンションの売却価格−マンションの取得価格+諸費用

上記の計算に含むことが出来る諸費用とは、マンションの売却活動に伴う費用のことで具体的に下記のように定められています。

参照:国税庁「譲渡費用となるもの」

上記の計算式で計算した譲渡所得がプラスとなった場合に確定申告が必要になり、発生した所得に対して下記の税率で所得税や住民税が課税されることになります。

特例を活用して節税が出来る

マンションの売却は取引額が大きく、税額もどうしても高額になってしまいがちです。更にマンションの価格が上昇しているタイミングでは尚更です。そのため税金がネックとなってマンションの取引が円滑に進まないことは、日本経済にとってもあまり良いことではありません。

そのためマンションなどのマイホームを売却した際には、下記のように様々な税務上の特例が用意されています。これらの特例を上手く活用することで、支払う税金を抑えることが可能になります。

特例の種類 特例の概要など
3,000万円の特別控除 マイホームを売却した際の譲渡所得から、3,000万円を控除することが出来る特例です。この特例には所有期間の定めもないので、適用しやすいのが特徴と言えます。
10年超所有していた場合の軽減税率の特例 所有期間が10年を超えるマイホームの売却に伴って譲渡所得が発生した際は、通常は15%の所得税率となりますが、この特例と使えば10%へと軽減が出来ます。この軽減税率を使えるのは所得額が6,000万円までの部分とされています。また、3,000万円の特別控除と併用が出来ることも特徴です。
居住用財産の買換の特例 10年超所有していたマイホームを売却して、新しいマイホームに買い替えた際に使える特例です。このような時に売却に伴って発生した譲渡所得を、新しく買ったマイホームを売却する時まで繰延をすることが出来ます。この特例は譲渡所得への課税を将来へと繰り延べることが出来るだけで、税額が免除になる訳ではないことが特徴です。
居住用財産の買替の場合の譲渡損失の繰越控除及び損益通算 こちらも買替の際に使える特例ですが、先ほどとちがって譲渡損失が出た際に使える制度です。売却にともなって出た損失を、他の所得と損益通算が出来て、さらに通算しきれなった損失は3年間繰り越すことが出来ます。
居住用財産の譲渡損失の繰越控除及び損益通算 こちらは買替ではない場合に、譲渡損失が発生した場合に使える制度です。売却したマイホームに住宅ローンの残債が残っていれば、一定の金額を損益通算及び繰越控除をすることが出来ます。

特例の中には所得だけでなく、損失が出た際に使える制度もあります。損失を損益通算することで、給与所得など他の所得を減らすことが出来るので、結果としては節税をすることが出来ます。また1年で損益通算してもまだ譲渡損失が残っている場合には、損失を繰越控除することで翌年の他の所得と損益通算が出来ます。

これらの制度を適用するためには、必要な書類などを揃えて確定申告をする必要があります。つまり確定申告は所得が出た際だけでなく、損失がでた場合でも行った方が良いことになります。それぞれの特例を適用するには細かい定めがあるため、実際に適用出来るかどうかは国税庁のホームページで確認をするようにして下さい。

契約不適合責任を負う場合も

マンションの引き渡しが終わったからと言って、まだまだ安心ではありません。売却して引き渡しをしたマンションや、設置されている設備に不具合がある場合があります。売却したマンションに故障などの不具合があり、買主が当初の目的を果たせないような場合には、売主の責任を追及されてしまう場合もあり、これを契約不適合責任と言います。

例えば買主はマイホームとしてマンションを購入したのに雨漏りがひどく、居住が出来ないような場合には買主としては目的を果たすことが出来ません。このようなケースでは売主としては契約の内容に反していることになり、契約不適合責任を負ってしまうことになります。

売主の負担で雨漏りを修理したり、損害賠償や契約の解除などへも発展してしまう可能性もあります。このようなトラブルを防ぐためには、雨漏りなどの不具合は契約時にしっかりと説明しておくことです。先ほど付帯設備表について説明をしましたが、不具合や故障などについてきちんと説明をしておけば契約不適合責任を問われることはありません。

瑕疵担保責任との違い

契約不適合責任とはあまり聞きなれない言葉ですが、これは元々は瑕疵担保責任と呼ばれていました。2020年4月の民法改正によって、瑕疵担保責任は契約不適合責任へと変わりました。この改正によって買主の権利が大きくなっているため、売主にとっては不利な改正となっています。

瑕疵担保責任と契約不適合責任の大きな違いは三つあり、一つ目は責任の範囲の違いです。瑕疵担保責任の場合は「隠れた瑕疵」が物件にあった場合に売主が責任を負うこととされていましたが、契約不適合責任では売買の目的物が契約の内容と適合しない場合に売主の責任が求められることになります。つまり売主側の責任を負わなければならない範囲が広くなっています。

二つ目の違いは買主の請求できる範囲が増えていることです。瑕疵担保責任の場合は契約の解除か損害賠償請求の二つしかありませんでしたが、契約不適合責任の場合では契約解除・損害賠償請求の他にも、追完請求・代金減額請求が可能となっています。

三つ目の違いは買主が請求できる時期が長くなっていることです。瑕疵担保責任の場合は引き渡し後1年とされていましたが、契約不適合責任の場合は契約不適合を知った時から1年となっています。全体的に買主の保護に偏った改正となっていますので、売主としては特に注意をしておいた方が良いでしょう。

このように引き渡しが終わった後も、物件の不具合などによって売主としても対応しなければならないケースがあります。このようなトラブルが起こった際にも、信頼の出来る不動産会社を選んでおけばきちんと相談に乗って対応をしてくれるでしょう。

クレームが起きたら対処する

物件の引き渡し後に買主からクレームを受けることがあります。買主からクレームが発生した際には、売主としてきちんと対応する必要があります。ここで対応を誤ってしまうと、先ほど説明をした契約不適合責任を問われるなど話がこじれてしまう場合もあります。

物件を引き渡した後に買主から起こるクレーム事例については、先ほども説明したように隣人や騒音に関するものが多いです。このようなクレームを受けた際には、まずは冷静になり真摯に対応することが重要です。正しい対処法としては、下記の通りです。

  • 喧嘩腰で話さず、冷静になる
  • 売買契約書や付帯設備表などの書面を確認する
  • 話し合いの内容は書面に残す
  • 不動産会社に間に入ってもらう

売主側にも非がある場合は丁寧に対応する必要がありますが、中には不当なクレームを言ってくるような買主もいます。そのような場合には必要以上に直接は接触をしないで、不動産会社に間に入ってもらう方が良いでしょう。どうしても解決しないような場合には、不動産の業界団体が設置している無料相談などの相談窓口などを利用するのも良いでしょう。

まとめ|マンションの売却は契約してからが重要


今回の記事で説明したきたようにマンションの売却にはたくさんのプロセスと、長い時間がかかります。時間と労力をかけてようやく契約までこぎつけても、それで終わりではありません。むしろ契約をした後の方が重要で、ここで気を抜いてしまうとせっかくの売却も失敗してしまうことになります。

マンションの契約から引き渡しまでにはトラブルが起きやすい時期ですので、売主としては出来るだけ丁寧な説明を行うことでトラブルの防止へとつながることになります。またトラブル防止やクレーム対応の際にも、不動産会社のサポートがかかせません。そのためいかに信頼の出来る不動産会社に売却を選ぶかは、マンション売却の際にはとても重要です。

信頼出来る不動産会社を探す際には、記事中でも紹介をした一括査定サイトを活用すると良いでしょう。一度の依頼で複数の不動産会社にコンタクトを取ることが出来るので、効率良く不動産会社を探すことが可能になります。中古マンション売却の際には、ぜひ今回の記事を参考にして下さい。

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