築10年や築20年のマンション売却価格の相場はいくら?

築年数別マンション

念願のマイホームとして購入したマンションを、何らかの理由で売却することは珍しいことではありません。また相続で引き継いだマンションを売却するケースもあるでしょう。このようにマンションの売却は誰にとっても起こりうるイベントと言えますが、マンション売却を行うことに対して不安を感じている方はとても多いです。

その大きな理由の一つが価格に関するもので、マンションはとても高額な取引でありながら価格が常に変動をしています。マンションに限らず不動産の価格は常に変動しており、築年数の経過に伴って価値が下落していくイメージがあります。しかし築年数だけで価格が決まる訳ではなく、その他の要因でも価格は大きく変動します。

このようにマンションの価格は様々な要因で変動することが、マンション売却に不安を感じる大きな要因となっています。今回の記事では築年数のマンション価格の関係を中心に、築年数以外の価格の変動要因についても詳しく解説をしていきます。マンションをお持ちの方は、ぜひ今回の記事を参考にして下さい。

マンションの売却と築年数の関係

冒頭の説明のように、今回の記事ではマンションの価格と築年数の関係について詳しく説明をしていきます。一般的には、マンションに限らず不動産の価格は築年数が経過するにつれて下落していきます。このことは誰もが知っている事実とも言えますが、何故マンションの価格は築年数が経過すると価値が下落するのでしょうか。

物件には耐用年数がある

マンション価格が築年数の経過によって下落する一番の要因が、建物が使えなくなってしまうまでの年数が短くなることです。マンションを購入する際、多くの方は出来るだけ長く使いたいと考えます。仮に30歳でマンションを購入したとすると、終の棲家とするならば50~60年間もの間住むことになります。そうすると、誰もが出来るだけ長く使える物件を選択します。

長く使えるマンションとなると、新築や築年数の浅いマンションになります。マンションはいくら頑丈な構造で造られていても、いつまでも安全に快適に使用できる訳ではなくどうしても老朽化してしまいます。建物には安心して使用出来る期間が決まっており、これを耐用年数と言います。マンションを買う場合にはだれもが残りの耐用年数が長い物件を欲しがりますから、築年数が経過するほど価格が下がっていくことになります。

耐用年数には3種類ある

一口に耐用年数と言っても、実は耐用年数には種類があります。耐用年数には大きく3つの種類があり、それぞれの特徴は下記のようになっています。

耐用年数の種類と特徴
種類 特徴
物理耐用年数 建物そのものが劣化iste使えなくなるまでの年数
法定耐用年数 建物の構造別に国が定めた年数
経済的耐用年数 建物の価値がなくなるまでの年数

上記の耐用年数の中でも一番良く耳にするのが法定耐用年数でしょう。法定耐用年数とは税金の計算をする際にも使われるので耳にする機会も多いですが、実際に使用出来る年数とは大きく違っています。国が定めている構造別の法定耐用年数は、下記の通りです。

法定耐用年数
構造 耐用年数
木造 22年
鉄骨造 軽量鉄骨
肉厚3㎜以下
19年
軽量鉄骨
肉厚3㎜超4㎜以下
27年
重量鉄骨
肉厚4㎜超
34年
鉄筋コンクリート
鉄骨鉄筋コンクリート
47年

鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートで造られているマンションの場合は、47年となっていますが実際には47年を過ぎても多くのマンションが使われています。しかし今回の記事のテーマでもある、築年数と価格の関係を考えると上記のような耐用年数はとても重要です。耐用年数に応じて価格も低くなると多くの方が考えますし、実際の取引でも築年数と価格は正比例の関係にあると言えます。

相場によって価格も変動する

マンションの価格を決定する大きな要因に築年数(≒残りの耐用年数)がありますが、マンションの価格の変動要因は他にもあり、それが不動産相場です。不動産の価格は株や債券と同じように常に価格が変動しており、同じ不動産であっても取引時期が違えば価格も違います。

そのため不動産の相場が上がっている場合では、築年数が経過してもマンションの価値が下がらないこともあります。新築で購入したマンションを5年後に売却をしたら、購入時よりも高く売れるという事も実際にあります。マンションの価格は築年数だけでなく、相場の影響も大きく受けます。実際に不動産の価格推移は、下記のようになっています。

住宅価格推移
資料:国道交通省「不動産価格推移」を参考に当方作成

他の不動産に比べると、マンションの価格上昇が突出していることが分かります。これはマンション価格が他の不動産価格に比べると、相場の影響を受けやすいという特徴を表しています。何故マンション価格が相場の影響を受けやすいかというと、マンションはマイホームのような自己居住用で買われる他にも投資目的で買われることが多いことが理由です。

投資家と呼ばれる方達は、株や債券などを買うのと同様に運用の一環でマンションを購入します。購入したマンションを他人貸して賃貸収入を得たり、高く売却をして売却益を得るのが目的です。不動産相場が現在のような上昇局面になると、このような投資目的での購入が増えるのでマンション価格は他の不動産に比べると値動きは大きくなるという特徴があります。

このようにマンション価格は築年数だけでなく、相場の影響も大きく受けることは理解しておくと良いでしょう。ここで言う相場とは不動産相場はもちろんですが、株などの金融相場も重要な要素です。投資目的で購入する投資家は金融相場を見ながら投資行動を行っているからです。中でもマンション価格は株価と動きが似ていると言われており、実際の株価とマンション価格の推移を比較すると下記のように推移が連動をしています。

株価と不動産価格の関係

資料:国道交通省「不動産価格推移」を参考に当方作成

株価の代表指数である日経平均価格に連動して、マンションの価格も推移していることが分かります。しかし株価程細かく上下を繰り返す訳ではなく、株価の大きな推移に半年ほど遅れて連動しているのがマンション価格の特徴です。マンション価格は築年数だけでなく、相場によって影響を受けることを認識しておきましょう。

築年数別のマンション売却価格の変化

札束とマンション

マンションの価格は築年数による影響はとても大きいことはこれまでの説明の通りですが、実際の売買価格とマンションの築年数にはどのような関係があるでしょうか。ここでは実際に行われているマンションの売買の価格と、築年数の関係について調べていきます。

マンションの価格は築年数と共に下がっていくことが一般的ですが、実際に行われた売買価格と築年数の関係を見てみましょう。新築時の価格を100とした場合の、築年数毎のマンションの成約価格をまとめたものが下記の表になります。
築年数によるマンション価格の推移
資料:国道交通省「不動産取引情報価格検索」より当方作成

上記の表は主要都市の専有面積50~70㎡のマンションの成約価格を築年数別に集計したものです。上記の表を見てみると、築年数の経過に伴って価格の下落が一貫して続いていることが分かります。上記の表は全国平均の数値ですが、エリアによっても下落の仕方にバラつきがあります。ここでは主要エリア毎の築年数別のマンション価格の変化率について、詳しく見て行きたいと思います。

築1~5年の変化

新築時のマンション価格を100とした時に、一定年数の築年数が経過した際のマンション価格がどれくらい下落しているかを「不動産取引情報価格検索」を使って調査した結果を紹介していきます。今回の調査ではマンションでは一般的な広さである占有面積が50~70㎡の物件に絞って調査を行っています。

まずは築5年以内の中古マンションの成約価格と、新築時との成約を価格をエリア毎に見てみましょう。

築1~5年のマンション価格の変化率
全国 東京都 北海道 愛知県 大阪府 福岡県
新築時 100 100 100 100 100 100
築1~5年のマンション価格 80 81 94 78 85 99
下落率 ▲14% ▲19% ▲6% ▲22% ▲15% ▲1%

築5年以内と言うとほぼ新築に近いようなイメージを持つ方も多いと思いますが、上記の通り1~2割程度も価格が下落していることが分かります。これは新築時には不動産会社の広告宣伝費などが大きく上乗せされていることが要因とも言えますが、築年数が浅くても新築時と比べると価値が大きく下落することが分かります。

また上記の表を見てみると、東京・大阪・愛知などの大都市に比べると札幌を中心とした北海道や福岡の価格の力強さが目立ちます。これには札幌や福岡の新築時の価格が元々安いという理由もありますが、それ以上に札幌も福岡も観光を中心として近年人気が高まっていることが大きな要因です。

札幌はニセコのようなスキーリゾート地として、福岡はその立地からアジアのハブ都市として、どちらも海外からのインバウンド需要が高まっているエリアです。その人気ぶりがマンション価格にも反映している結果とも言えますが、コロナの影響はまだ織り込まれていません。今後のマンション価格がコロナの影響によってどのように推移するかが、注意が必要な点と言えるでしょう。

築6年~10年の変化

続いて築6~10年経過した中古マンションの成約価格と、新築時の価格との比較です。

築6~10年のマンション価格の変化率
全国 東京都 北海道 愛知県 大阪府 福岡県
新築時 100 100 100 100 100 100
築6~10年のマンション価格 70 73 68 62 70 74
下落率 ▲30% ▲27% ▲32% ▲38% ▲30% ▲26%

築1~5年目と比べても更に価格下落が進んでおり、どの地域でも3割程度価格が減少して取引が行われています。築1~5年目までは比較的下落の少なかった札幌や福岡のマンションも、築年数が進むと他のエリアと同水準の取引価格となっています。また他のエリアと比較すると愛知県の価格下落が目立っていますが、愛知県のマンション取引は名古屋に集中しており県全体と見ると戸建てのニーズの方が高いことが要因の一つです。

築11年~20年の変化

続いて築11~20年の中古マンションの成約価格と、新築時の比較です。

築11~20年のマンション価格の変化率
全国 東京都 北海道 愛知県 大阪府 福岡県
新築時 100 100 100 100 100 100
築11~20年のマンション価格 54 58 45 48 56 58
下落率 ▲46% ▲42% ▲55% ▲52% ▲44% ▲42%

築10年を超えてくると、価格が4~5割と新築時の半分程度となっています。先ほど耐用年数の話をしましたが、マンションの法定耐用年数は47年です。築10年や20年経過していてもまだまだ使える年数は長いのですが、それでも価格はこの築年数になると半減しています。このことからいかにマンションの人気が、新築や築浅に集中しているかが良く分かります。

築20年以上

続いて築20年以上を経過したマンションの成約価格を新築時と比較したものです。

築20年以上のマンション価格の変化率
全国 東京都 北海道 愛知県 大阪府 福岡県
新築時 100 100 100 100 100 100
築20年以上のマンション価格 38 43 35 29 35 46
下落率 ▲72% ▲57% ▲65% ▲71% ▲65% ▲54%

築20年を超えたマンション価格は新築時から7割も低い価格となっています。エリアによっても価格に違いがあり、都心を含む東京が比較的下落は少ない一方で、戸建て需要の高い愛知県では下落率が高くなっているのが特徴的です。

同じ地方都市であっても福岡は新築時と比較しても一番価格下落が低く、中古マンション価格が高いエリアとなっています。福岡はその立地から中国などのアジア各国からの来日需要が高く、近年とても人気が高いことがその要因の一つと考えられます。

築年数別のマンション売却価格の相場

札束とマンション
中古マンションの価格が新築時の価格と比べて、どれくらい変化するのかを見て来ましたが、どのエリアでも築年数の経過にともなって売買価格は大きく減少していることが分かりました。このようにマンション価格は築年数が浅いほど高価になる訳ですが、変化率だけでは実際の価格までは分かりません。

マンションの価格が立地による影響がとても大きく、エリアによって価格も大きく違います。ここでは実際のマンション相場について、エリア毎に築年数別に紹介をしていきます。実際に売却する際には、エリア毎の相場を掴んでおくことが重要なので、ぜひ参考にしてください。

築1~5年の相場

先程同様今回の調査でも、一般的なファミリータイプの広さである専有面積が50~70㎡の物件に絞って調査を行いました。まずは築1~5年の中古マンション価格の相場と、新築相場を紹介します。

築1~5年のマンション価格の相場(単位:万円)
全国 東京都 北海道 愛知県 大阪府 福岡県
新築時 4,992 7,795 3,834 4,513 5,052 3,768
築1~5年のマンション価格 4,297 6,334 3,585 3,523 4,310 3,733
下落率 ▲14% ▲19% ▲6% ▲22% ▲15% ▲1%

新築マンション価格の全国平均が4,992万円で、築1~5年を経過した成約価格が4,297万円となっています。実際の価格をエリア毎に見てみると、東京は新築時の平均価格で7,795万円と群を抜いて高いことが分かります。これは福岡や北海道の約2倍の水準であり、愛知や大阪と比べても突出して高い水準となっています。

東京の中でも特に価格が高いのが23区を中心としたエリアで、その中でも更に高いのが都心5区と呼ばれる千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区です。このエリアでは億を超えるマンションも数多くあり、また人気のある物件であれば築年数に関わらず高い価格で取引をされています。一方で同じ東京都でも23区を除いたエリアでは、他の都市と同水準の価格水準となっています。

いずれにしても東京都内のマンションは一般的サラリーマンでは中々変える水準ではなく、築1~5年を経過したとしてもまだまだ高い水準であることが分かります。一方他の都市部の物件であれば築5年以内の中古マンションの価格は3,000~4,000万円台が中心となっており、新築時と比べると価格は下落しているものの手頃な価格帯となっています。

築6年~10年の相場

続いて築年数が6~10年の中古マンションの相場を紹介します。

築6~10年のマンション価格の相場(単位:万円)
全国 東京都 北海道 愛知県 大阪府 福岡県
新築時 4,992 7,795 3,834 4,513 5,052 3,768
築6~10年のマンション価格 3,481 5,704 2,600 2,799 3,525 2,775
下落率 ▲30% ▲27% ▲32% ▲38% ▲30% ▲26%

このぐらいの築年数となると、エリアによる価格差がかなり大きくなっています。東京はこの築年数となっても約5,700万円と高い水準を維持している一方で、愛知や福岡・北海道は2,000万円とよりお手頃な水準となっています。しかし新築時と比べると価格が下がっているとは言え、どのエリアでも2,000万円を超える価格で取引が行われている訳ですから、マンションの資産性の高さが分かります。

築11年~20年の相場

次は築11~20年を経過した中古マンションの相場です。

築11~20年のマンション価格の相場(単位:万円)
全国 東京都 北海道 愛知県 大阪府 福岡県
新築時 4,992 7,795 3,834 4,513 5,052 3,768
築11~20年のマンション価格 2,686 4,508 1,708 2,184 2,842 2,190
下落率 ▲46% ▲42% ▲55% ▲52% ▲44% ▲42%

やはりここでも目を引くのが東京の価格で、築11~20年となっていても平均成約価格は4,500万円と依然として高い水準です。東京都内にマンションを持つことが、いかに難しいことが分かります。一方で他のエリアでは価格は大分落ち着いた水準となっており、新築時と比べると約半額程度となっているエリアもあります。

この時期になるとマンションによっては、屋上や外壁などの大規模な修繕工事が必要になってきます。そのため売買の際には修繕費の負担や実施状況なども重要になってくる時期であり、物件によっては価格が大きく下がってしまうこともあります。そのような事情もあり、どのエリアでも価格の下落が大きくなっていると言えます。

築20年以上の相場

最期に築20年を超えた物件の相場を見てみましょう。

築20年以上のマンション価格の相場(単位:万円)
全国 東京都 北海道 愛知県 大阪府 福岡県
新築時 4,992 7,795 3,834 4,513 5,052 3,768
築20年以上のマンション価格 1,896 3,339 1,341 1,302 1,783 1,716
下落率 ▲72% ▲57% ▲65% ▲71% ▲65% ▲54%

東京の物件は依然として高く、築20年を超えても3,000万円以上の価格で取引をされています。しかし他のエリアではどのエリアを見ても平均価格は1,000万円台と、ほぼ同水準の売買価格となっています。マンションの資産価値は立地や物件の条件によって大きく違いますが、特に東京の物件に人気が集中していることが今回の調査で分かりました。

マンションは投資目的で買われることがあることは先ほども説明をした通りですが、投資目的で買われる物件の多くが東京の物件です。東京の物件は価格は高いですが、築年数が経過しても高い資産価値が維持されており、物件によっては購入時より高い価格で売却出来ることもありません。そのため多くの投資家が東京都内のマンションを購入するので、このように価格が高くなっていると言えます。

マンションの売りどきは築何年?

高層ビル群
ここまで中古マンションの相場や価格の変化について説明をしてきましたが、中古マンションの価格は築年数だけでなく様々な要因で変化をします。そのため中古マンションを売却する際には、どのタイミングで売却をすべきか悩んでいる方も多いです。

マンションに限らず不動産の売買かタイミングがとても重要です。しかしそのタイミングを見極めるのは簡単ではありません。中古マンションを売却するにはどのようなタイミングが良いのか、見ていきましょう。

築5年以下が売りどき

先程中古マンションの築年数毎の相場を紹介しましたが、やはりマンションは築年数の浅い物件程価格が高いです。特に築5年未満の物件は、新築と変わらない水準で取引されている場合もあります。築5年以下ということは、前のオーナーが住んでいた期間も5年以下ですから、建物や設備もきれいな状態です。必要な修繕実施時期もまだ先であり、長く住むことを考えると築5年以内の物件は魅力的です。

また新築の場合は、どうしても新築プレミアムとも言われる新築ならではの高めの価格設定がされています。この新築プレミアムは一度で誰かがすんだ時点で無くなります。つまり築5年以内の物件は新築同様の建物を、新築プレミアムを除いた状態で購入することが出来るとも言えます。そのため、築5年以内の物件はとても売りやすいと言えるでしょう。

築年数は浅い程良い

マンション売却の売り時は、出来るだけ早いタイミングが良いとも言えます。先ほどの築5年以内の説明内容と少し重複するかもしれませんが、築年数が浅い程売却しやすいです。中古マンションの中でも築年数が10年以内の物件は、やはり人気が高いです。

築15年や20年を超えてくると、どんな物件でも修繕が必要になってくる時期です。物件によっては修繕積立金では足りず、修繕積立金が増額されるような場合もあります。中古マンションを探している買主の立場から考えると。そのような物件はどうしても避けてしまうでしょう。マンション売却をする際には、築10年以内の方が売りやすいと言えます。

売却理由も重要

マンションの買主は物件を検討する際、何故その物件が売却になっているのかは必ず気にします。そのため築1~2年のような買ってすぐに売りに出されている物件だと、「何か悪い点であるのではないか」と疑問に思ってしまいます。築年数が浅い内が売り時という先ほどの説明と矛盾するようですが、あまりに早い売却の場合は買主に変に思われない売却理由を考えておきましょう。

売却理由で嘘を付くのは絶対に駄目ですが、「離婚によって売却」というよりも「家庭環境の変化によって」などと説明をした方が悪いイメージをもたれにくくなります。このようにあまり早く売却をする際には、売却理由についても説明できるようにしておきましょう。

マンションの相場を見極める

マンションの価格は、築年数だけでなく相場によって変動することは説明をしました。そのため同じマンションであっても不動産相場が良い時期の方が高く売れます。マンションを売却する際には、出来るだけ不動産相場の良い時期に売ることで売りやすくなります。

2021年2月現在、足元の不動産相場は上昇を続けています。また中古マンション価格と連動性の高い株価も上昇が続いています。マンションの価格は一般的には株価などの経済相場の影響を3~6ヶ月に受けると言われていることを考えると、少なくともしばらくは良い相場が続くとも言えます。

一方で現在の株価の高騰は世界的な大規模金融緩和が支えられているという側面があり、実態経済以上の価格になっているとも言われています。つまり株は今後、大きく値下がりする可能性があると言える状態です。そのためマンションの売却を悩んでいる方にとっては、今はとても良い売り時と言えるかもしれません。

もちろんまだまだ良い相場が続いて今後もマンション価格が上昇する可能性もありますが、少なくともマンション価格は長い間上昇が続いています。そのためもしかしたらどこかで相場が下落に転じる可能性もあります。このようにマンション売却の際には。相場も見ながら売却のタイミングを見極めましょう。

売却時期も重要

マンション売却の際は相場も重要ですが、売却をする時期にも気を付けると良いです。年間の中にはマンションが売れやすい時期とそうでない時期があります。マンションが売れやすいのは、やはり引っ越しや入学などが集中する3月や4月頃です。マンションの売却には早くても3ヶ月、一般的には6ヶ月位はかかりますから、逆算して売却活動をこの時期に合わせて行うと売れやすくなります。

マンション売却で築年数の他に重要なのは?

パソコンで調べる男性
マンションの売却価格には築年数や相場が大きく影響をしますが、特に築年数は浅い程価格が高くなることをこれまで説明をしてきました。しかし売却価格に影響を与えるには、築年数や相場以外にもたくさんあります。また売却の仕方や、ちょっとした工夫で少しでも高く売却できる場合があります。

築年数などは自分ではどうしようもない事ですが、ここで紹介している売却の際のポイントは簡単に出来ることもあります。ここではマンションの売却において、築年数以外の重要なポイントについて紹介をしていきます。

内覧の印象を良くする

自己居住用でマンションを探している買主の方は、必ずと言って良い程内覧を行います。その内覧の際の印象によって、売却価格が決まると言っても良いぐらい内覧は重要です。売主として内覧に立ち会うケースは多いと思いますが、少しでも買主の印象をよくすることで売却もしやすくなると言えるでしょう。内覧の際には、下記のような点に注意することで、買主の印象を良くすることが出来ます。

内覧時の対応

  • 掃除を徹底して綺麗にすること。臭いにも注意して喚起をしておく。
  • 玄関は第一印象を決めるポイント。靴は片付けて広く見える工夫を。
  • リビングにはとにかく物を置かないこで広く見える。
  • 電気は昼間でも全て付けておくことで明るく見える効果がある。
  • 水回りの掃除は特に念入りに。
  • ベランダの掃除は忘れてしまいがちなので、気を付ける。
  • スリッパの準備も忘れずに。
  • 売り主しか知らない良いポイント(夏は花火が見える等)をさりげなく伝える。
  • 内覧者に対してはおもてなしの精神で接する。

売り急がない

マンションを売却する際には、売り急がないことが重要です。売却する理由にもよるのであまり時間がない場合もあるかもしれませんが、いつまでに売らなければいけないという事情があると、どうしても早く売ることを優先する必要があります。そうすると価格については妥協をしなくてはならない場合もあるので、売却価格が安くなってしまう可能性があります。

またマンションの価格は売主と買主の交渉で決まります。もし売主が売り急いでいるとなると、買主からすれば値下げ交渉のしやすい相手と言う風に見えてしまいます。そのため価格交渉も強気に行えなくなってしまう可能性もあります。このようにマンションを売却する際には、売り急がないようにすることが大切です。もし納税資金の確保や転勤などの事情で売却期限が決まっている場合でも、出来るだけ余裕をもった姿勢で交渉するようにしましょう。

リフォームはしないでハウスクリーニングをする

中古マンションを売却する際、リフォームを行うかどうかを迷う売主は多いです。築年数の経過したマンションの場合、リフォームをすることで高く売却しやすくなると考える方がいるかもしれませんが、そうではありません。リフォームをしても売却価格は変わらないですし、むしろリフォームをすることで買主候補を少なくしてしまう可能性があります。

中古マンションを買う方は、リフォームを前提としている方が多いです。特に築年数の古い物件ほど、その傾向は強いです。中古マンションを買う方は自分の好きな間取りや内装にリフォームをして楽しみたいのに、売主の好みでリフォームされていては検討物件から外してしまうことになります。上手く好みが合った買主がいたとしても、リフォームにかけた工事代金分高く売れる訳ではありません。

このように売主がリフォームを行うことは、中古マンションを売却する際にはマイナスとなってしまいます。仮に行うとしても、内覧時の印象を良くするためのハウスクリーニング程度にとどめておくようにしましょう。この場合もハウスクリーニングにかけた費用は売却価格に上乗せ出来る訳ではないので、必要経費と割り切って行うことが大切です。


値引を見越した売り出し価格を設定する

マンションの売却価格は、売主と買主が交渉をして決まります。そのため当初売主が設定した売却価格通りで売却できることは、あまりありません。買主は必ずと言っていいほど値下げ交渉をしてきます。売り出しを価格を設定する際に、値引きを見越して多少高めに価格設定しておくのもポイントです。

多少高めに設定しておくことで、値引き交渉にも柔軟に対応することが出来ますし、もしかしたらそのままの値段で売却出来るかもしれません。買主としても値下げ交渉をした際、全く受け入れてもらえない売主よりも、値引きに応じてくれる方が購入の決断がしやすいです。

値引に応じて買主から見た売主のイメージを良くしておくことで、今後のトラブル防止にも繋がります。不動産売買では、売主と買主は一時的な商売相手とも言えますが、ご縁のあった大切なお客様という気持ちで双方が接することが長い目で見れば重要なことです。このように多少価格を高めに設定をして値引きに応じることで、売却しやすくなるだけでなく今後のトラブル防止にもなります。

マンションブランドや管理も重要

築年数や相場の他に、マンションの資産価値を決める重要な要素がマンションブランドです。誰もが効いたことのある下記のような大手マンションデベロッパーが手掛けている有名マンションシリーズと、そうでないマンションでは築年数が経過した後の価格が違います。

分譲会社 マンションブランド
住友不動産 グランドヒルズ
シティタワー
シティハウス
三井不動産 パークマンション
パークコート
パークタワー
野村不動産 プラウドシティ
プラウドタワー
三菱地所 ザ・パークハウス
東急不動産 プランズ
東京建物 ブリリア
大京 ライオンズ

特に東京都心ほどその傾向が強く、大手マンションデベロッパーが手掛けたタワーマンションや、高級低層マンションなどは築年数が経過しても価格が下がりません。このようにマンションもブランド力が価格を決める大きな要因になっています。その理由の一つが、管理にあると言えます。

「マンションは管理を買う」という言葉があるくらい、マンションにとって管理状況は重要です。建物の修繕だけでなく、共用部分の充実度や管理状況によって住民の満足度は大きく変わります。この点で大手マンションデベロッパーが手掛けているマンションは優れており、コンシェルジュが常駐している物件もあるなどとても快適に暮らすことが出来ます。

そのため有名ブランドマンションシリーズを購入したいと考える方はとても多く、どこの建築会社が施工してどんなブランドマンションかという事でも、マンションの価値は大きく変わります。このようにマンションの価値を考える時、築年数と相場以外ではマンションブランドはとても重要な要因の一つと言えるでしょう。

マンションに強い不動産会社を選ぶ

マンションを売却する際は、売却を依頼する不動産会社選びも重要です。一口に不動産会社と言っても得意な物件にはそれぞれ違いがあるので、マンションがあまり得意でない不動産会社もあります。また仲介ではなく、普段は管理業務を中心に行っている会社も不動産会社です。

このように不動産会社には得意不得意があるため、マンションの売却を成功させるには不動産会社選びがとても重要です。信頼出来る不動産会社を選ぶ際には、必ず複数の不動産会社を比較することが大切です。複数の不動産会社を比較することで、マンションに強い信頼出来る不動産会社を見つけることが出来ます。

複数の不動産会社を探す際には、下記のような一括査定サイトを活用すれば簡単に複数の不動産会社の比較が行えます。提携している不動産会社が多いので、大手不動産会社だけでなく地域密着型の不動産会社にも査定依頼をすることが出来ます。マンション売却成功の秘訣は、一括査定サイトの利用が近道と言えます。

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まとめ|マンション売却価格アップには、築年数と不動産会社選びが重要

夫妻に説明する女性
今回の記事では、築年数毎のマンションの売却価格と少しでも売却価格をアップするポイントについて説明をしてきました。中古マンションの価格を決める大きな要因は築年数ですが、それだけではありません。中古マンションは不動産の中でも相場の影響を受けやすい特徴があるので、売却時の相場によっても価格は変わります。

また築年数と相場以外にも様々な要因で売却価格は変化をします。マンションのブランドや施工建築会社などがその代表例ですが、売却時の売り方や買主との交渉の仕方によっても価格を変化させることは可能です。今回の記事で紹介しているような売却のポイントを押さえて売却することで、少しでも高く売れる可能性が高まります。

またもう一つ重要なのが、不動産会社選びです。マンションに強くて信頼出来る不動産会社を選ぶことが、マンション売却成功の秘訣とも言えます。不動産会社選びの際には、記事中でも紹介している一括査定を使うことで効率行く複数の不動産会社の比較が行うことが出来ます。

マンションを売却する際には築年数が重要ですが、それ以外の要因を抑えることで相場よりも高く売ることが可能です。これからマンションの売却を予定している方は、今回の記事の内容を参考にして売却方法のポイントを抑える事と、不動産会社選びを慎重に行うことをぜひ心がけて下さい。

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