マンションを売ると手数料や税金が引かれるため、思ったよりも少なく手元に残ってしまう場合があります。できれば1円でも多く欲しい・・・、という方も多いのではないでしょうか。
今回は、絶対に削れないと思われている手数料や税金の節約方法について、マンション売却前に知ってほしい情報をお伝えします。
目次
まずマンション売却に必要な手数料を確認しておこう!
マンションを売るとき、以下の手数料が発生します。
- 仲介手数料
- 住宅ローン完済の事務手数料
- 登記費用
- 名義変更料
- 測量費
- 印紙代
- 司法書士の手数料
どうやってマンションを売るかで、必要な手数料が変わってきますが、一般的に上記費用が発生します。多くの方は不動産会社で売買契約をするため、取引額に応じて仲介手数料が売却費用から差し引かれます。
また、住宅ローンが残っている場合は、完済の繰り上げ返済事務手数料や名義変更料。売買契約書に必要な収入印紙代の支払いが必要です。
支払うだけじゃない!実は戻ってくるお金もある
マンションを手放すとき手数料の請求ばかりではなく、逆に戻ってくるお金もあります。返済手続きが必要な場合もあるので、どんなお金が戻ってくるのか覚えておきましょう。
- 固定資産税
- 管理費や修繕積立金
- 火災や地震保険料
- 銀行保証料
- 住宅ローン保証料(一括の場合のみ)
多くの費用は不動産会社が手続きの際に説明をしてくれますが、火災保険や地震保険など、任意で加入している保険料については、自分で返金手続きが必要です。
通常、住宅を守るための保険料は年単位で加入し支払います。年度途中でマンションを売却すると、解約した残りの期間分が返金されるシステムです。
マンションを売却するとき、必ず保険解約の手続きをして、残り期間分の返金をしてもらいましょう。
手数料のほかにマンション売却時は税金の支払いも必要
マンションを購入した額よりも、売却価格の方が安ければ税金の発生は一般的にありません。
しかし、購入費と売却費の差が小さい時や減価償却や特別控除などの条件に当てはまらないときは、不動産譲渡所得税にかかる所得税と住民税が発生します。
譲渡所得とは?
譲渡所得とは、建物を譲渡したときに必要な税金です。譲渡所得は3つの費用で求めた額をいいます。
- マンションを売って手元に残った費用(収入)
- マンションを買ったときの費用(取得費)
- マンションを売った費用(譲渡費)
上から順番に引き算すると、譲渡所得額が簡単にわかります。ただ、取得費に関しては減価償却費などが関係するため、実際どれくらいなのか正確な判断が難しいです。
譲渡所得があると所得税や住民税の支払いが必要
譲渡所得が0円以上の場合、利益があるため所得税や住民税、復興特別所得税が課税されます。
それぞれの税率はマンションの所有期間によって違ってくるため、売却する時期に合わせていくら必要なのか知っておくと、あとから税金の請求に驚きませんよ。
区分 | 所有期間 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% |
長期譲渡所得 | 5年以上 | 15% | 5% |
上記のほかに、2037年までの期間中、基本所得税額の2.1%相当が復興特別所得税として加算されます。
手数料の相場は?みんなのマンション売却体験談
マンションを売却した人たちの体験談から、手数料の相場を一覧にしてみました。
項目 | 手数料の相場 |
---|---|
仲介手数料 | 売買価格の3%+6万円 (400万円以上の場合) |
住宅ローン完済の 事務手数料 |
3千円~5千円×1.08 |
登記費用 | 1千円 (マンション1戸) |
名義変更料 (登録免許税) |
売却価格の20/1000 |
測量費 | 35万円~45万円 |
印紙代 | 1万円 (1千万円~5千万円以下) |
司法書士の手数料 | 2万円~5万円 |
売却費用によって収入印紙代や仲介手数料が違います。次に、実際にマンションを売却した人たちの中から、手数料に関する口コミをいくつかご紹介します。
仲介手数料無料の業者と取引
仲介手数料をざっくり計算するだけでも数十万円。手元に残る額が減るとの理由から、仲介手数料の安い不動産会社を探しました。
いくつか見積もり依頼をして、手数料を比較してみたところ、結構な差が・・・。不安でしたが仲介料無料の不動産会社と契約しました。思っていたのとは別で、最後まで丁寧で親切な対応でした。
売るには手間があるんだから手数料は必要
手数料無料や割引を広告に載せる業者が目立つけど、マンションを売るには広告や手続きなどあるのだから、取られて当然な費用だと思います。
実際、手数料無料だと広告活動をしなかったり、対応がとても遅いなどの口コミも見かけるので、手数料をケチってはいけないなと思いました。
売却を決めるのは見積もりを出してから!
以前からお世話になっている不動産会社があったとしても、マンションを売るときは複数社へ見積もりを出してから考えるのが一番だと思いました。
信頼していた不動産会社よりも他社の方が、諸費用が安いところがたくさなりました。しかも評判もいい。
少しでも利益を出すためのアドバイスなど、親身になって対応してくれる業者は、売却活動など積極的におこなってくれるなと実感しました。
マンション売却する前に自分で手数料を計算してみよう
実際にマンションを売ると、どれくらい手数料の支払いが必要なのか計算してみましょう。
たとえば、3千万円で購入したマンションを、2千万円で売却したときの手数料を計算してみました。
項目 | 手数料 |
---|---|
仲介手数料 | 66万円 |
抵当権抹消登記 | 1千円 |
登記費用 | 1千円 |
印紙代 | 1万円 |
司法書士の手数料 | 3万円 |
合計 | 70万2千円 |
※住宅ローンなし・測量不要で計算
計算すると、2千万円でマンションを売却すると「70万2千円」の手数料が引かれます。手元に残るお金は「1929万8千円」です。
しっかりとした計算式で求めると、この数字と同じとは限りませんが、思った以上に手元にお金が残ると思われたのではないでしょうか。
マンションを売るとき、いくらで手放すのかによって、手元に残るお金は大きく変化します。
仲介手数料はマンションを売却する価格で変わる
手数料の中でも一番大きな費用が「仲介手数料」です。不動産会社へ買い手を見つけていただく活動費やさまざまな手続き費用と考えれば、決して高くはありませんね。
仲介手数料はマンションの売却費によって変動します。
売却費用 | 上限手数料 |
---|---|
200万円以下 | 売却費の5% |
200万円~400万円まで | 売却費の4%+2万円 |
400万円以上 | 売却費の3%+6万円 |
上記でお伝えした計算では、2千万円でマンションを売却するため「2千万円×3%+6万円」で仲介手数料を求めました。
いくらで売るのか、まずは仲介手数料を計算してみましょう。
マンション売却手数料が無料や半額の不動産会社は大丈夫?
マンションを売るとき、一般的に不動産会社を通じて買い手探しをします。不動産会社と契約すると、仲介手数料が発生しますが、業者によって手数料無料や半額で対応してくれるケースもあります。
先ほどのように2千万円でマンション売却すると、66万円の仲介手数料になるため、それが0円になるのはありがたい話ですよね。
ただ、ここで心配になるのが「手数料無料の不動産会社は大丈夫なのか?」ということです。不動産会社にとって収入源は、この仲介手数料だけ。0円にすると売る人が増える分、手間がかかるだけ。
売り手にとって「手数料無料」はうれしい言葉ですが、それと同時に粗末な対応や別途費用が発生しないか心配ですよね。
売却手数料が無料や半額の不動産会社は危険?
仲介手数料は不動産会社の唯一の収入源とお伝えしました。無料で対応されると不動産会社の生活が心配になりますが、実は売主だけではなく買い主からも仲介手数料をもらっています。
つまり、不動産会社は売り手・買い手の両者から手数料がもらえるため、どちらか片方からもらえると利益が0円にならないのです。
また、そのほかにも売却にはいくつもの手数料が不動産会社から請求されるケースがあります。
- 住宅ローンの代行手続き費用(事務手数料)
- 広告活動費
売却手続きでもっとも高いといわれる仲介手数料を、無料や半額にすることで、不動産会社と取引する利用者が増えます。売買物件が増えると、不動産会社は必然的に利益が上がるため、とくに困ることはないのです。
仲介手数料無料は注意といわれますが、接客対応や宣伝活動がしっかりしていて、さらに追加手数料がないのであれば、とくに心配する必要はないと言えるでしょう。
普通にマンションを売却するより手数料を抑えるコツでかなりお得!
マンションを売るとき、多くの方は初めてなので、なにをどうすればいいのかわからないと思います。不動産会社に言われるがまま、マンションを手放してしまうより、売却で得する知識を学んでから手放した方が、収入利益がアップします。
売却時の手数料を少しでも抑えるために、4つのポイントを覚えておきましょう。
広告費をかけずに宣伝活動をしてもらう
不動産会社の多くは、インターネット上に物件を出し広告活動します。自社サイトへ物件を登録し公開するのであればコストの心配がありません。
しかし、複数の不動産会社の情報が閲覧できるサイトなどで公開する場合、広告費が発生します。これら広告料は売主側が負担となるケースが多いため、宣伝活動で求める条件をあらかじめ決めておきましょう。
リフォームなどムダにしない
少しでも買い手が早く見つかるようにと、キレイな物件に整えておくことは大切なポイントです。しかし、設備の総入れ替えや間取り変更など、リフォームを売却前にしてしまうと、買い手が見つかりにくい場合があります。
住む人の年代によって、使いやすい水回りや間取りが違います。売主側の考えたリフォームと買い手が求める物件に差があると、マンションが売れ残る可能性が高まります。
リフォームは数十万から数百万円と、決して安い費用ではありません。どうしてもリフォームするときは、信頼できる不動産会社を見つけてから相談することをおすすめします。
仲介手数料の値引き交渉をしてみる
仲介手数料無料の不動産会社と取引するのであれば関係ない話ですが、上限ギリギリで発生する場合は、値引き交渉に応じてみるのもひとつの方法です。
その際、買い手を見つけるときは同じ不動産会社を通すようにしましょう。
不動産会社は、仲介手数料を売主と買い主の両方から受け取れるため、別業者から買い手の依頼をされてしまうと、手数料は売主側からしか受け取れません。
売主と買い主の2人が同じ不動産会社を通して依頼すると、仲介手数料の値引き交渉に応じてもらいやすいです。
諸経費計上の見落としをしない
マンションを購入したときの費用より、売却したときの費用が低ければ不動産譲渡所得税が発生しません。この計算では、仲介手数料や印紙税などの諸費用も含まれるため、売却費用がいくらになるかで税金が左右されます。
諸費用の計上については、管轄の税務署によって判断が異なる場合があるので、どんな費用がマンション売却で必要なのか、しっかりまとめて聞いてみましょう。
まとめ|買い手探しは同じ仲介業者を通すと手数料が抑えられる!
マンション売却の費用で大きいのが仲介手数料です。買い手を見つける時は同じ不動産会社を通すことで、手数料の値引き交渉ができます。
なにもせずに売ってしまうより、少しでも手数料を抑えたコツを取り入れることで、税金関係にも影響するためトータルコストが安くできます。利益率が高まるため、まずは今できることからはじめてはいかがでしょうか。
更新日:2022年01月20日